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慢性腎臓病(CKD)の患者が増加傾向にある。2011年には透析治療を行う患者が国内で30万人を超えた。
その中でも、透析治療を新たに始める患者の平均年齢は69歳と高齢化が顕著だ。透析を始める患者が最も多い年代は男性では70代後半、女性では80歳前半となっており深刻な高齢化が見られる。
国内には慢性腎臓病(CKD)患者が約1300万人いると推定され、その中で透析治療を受ける人は32万人を超えるとされる。
(臨床工学技コラム :自覚症状のないサイレントキラーの1つ「慢性腎臓病」も参照)
腎臓病を患うと、症状の改善のためには食事制限が必要になる一方で、尿をつくる機能が低下している、健康状態が悪化するなどで体力低下が顕著に見られやすい。さらに透析を受けることで老廃物だけでなくタンパク質も失うため、筋肉も減りやすくなる。
従来では、運動により尿中タンパク質が増えて腎障害が悪化すると考えられていたため、慢性腎臓病の患者は安静にして体を動かさないようにするのが原則だった。
しかし、近年腎臓病特有の体力低下を運動療法によって防止し、さらには死亡率も低減できることがわかってきた。
激しい運動でなければ腎機能は悪化しないことが報告され、人工透析を必要としない運動療法のみによる効果も報告されており、一部の運動療法は今年4月から公的医療保険の対象になっている。この新たな保険適用の対象になっているのは、糖尿病で腎機能が低下している一部のCKD患者で、医師が透析予防のための運動指導を条件付きで行う場合だ。
まだ透析が必要にはなっていない段階から運動を開始することで、腎機能を改善し、透析に移行する割合も減らせるという。
腎臓病の人が取り組む「腎臓リハ」も注目されている。腎臓病の治療には、食事療法や心理的サポートもあるが、この「腎臓リハ」の中核は「運動療法」だ。
体をしっかりと動かすことで筋肉量や体力の低下を抑え、日常生活でも活動度が上がりやすく、「買い物の荷物を自分で持てるようになった」、「お風呂に一人で入れるようになった」など、それまで不可能だったこと出来るようになることで、生活の質が高まると声が上がっている。
人工透析を受けるベッドの上に自転車のペダル踏み式機器を載せてこいだり、1キロあまりの重りをつけての足の曲げ伸ばしやもも上げで股関節の筋肉を鍛える、ゴムチューブを両手や両足でゆっくり引っ張るなどのレジスタンス運動などで体を動かす。
そのような様々な運動風景は最近の透析クリニックでは決して珍しくないようだ。最適な運動を提案することで透析を受けながらでも何らかの形で体を動かせるという。そして、「腎臓リハ」を毎日続けることによって、体力の低下を防止して、糖尿病の悪化を抑制している。
日本腎臓リハビリテーション学会では、20分~1時間程度の歩行などの有酸素運動を週3~5回、最大筋力の70%程度で筋肉を鍛えるレジスタンス運動を週2~3回行うことを推奨する。透析治療では血圧が徐々に下がるので、透析治療期間に行う場合は透析前に、また透析のない日に運動しても構わないという。医師に相談しながら無理をしない程度からスタートして、少しずつ動く時間を延ばしていくことが奨められるようだ。

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