
機能訓練指導員の仕事内容は、利用者の生活・身体状況の確認や個別機能訓練計画書の作成、機能訓練の実施など多岐にわたります。機能訓練指導員を名乗るためには、特定の国家資格が必要です。この記事では、具体的な仕事内容や年収、よくある質問と回答をご紹介します。
言語聴覚士の平均年収は432万5200円

2023年時点の言語聴覚士の平均年収は以下の通りです。なお、平均年収は月給×12+賞与で計算しています。
平均月給 |
平均賞与 |
平均年収 |
30万900円 |
71万4,400円 |
432万5,200円 |
※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
ただし、上記のデータには理学療法士、作業療法士、視能訓練士も含まれています。あくまで参考データとしてご確認ください。
国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査結果」によりますと、給与所得者の平均年収は460万円です。言語聴覚士の年収は、平均よりやや低い水準と言えます。
言語聴覚士の年収が平均よりもやや低い理由のひとつに、言語聴覚士の平均年齢が低いことが挙げられます。言語聴覚士の資格が制定されたのは1997年と、比較的歴史が浅く、取得者は20〜40代が中心です。今後、キャリアを重ねていくことで平均年収が高まると推測されます。
【男女別】言語聴覚士の平均年収
2023年時点の言語聴覚士の男女別平均年収は以下の通りです。
性別 |
平均年齢 |
平均月給 |
平均賞与 |
平均年収 |
男 |
35.8 歳 |
31万5,300円 |
73万7,400円 |
452万1,000円 |
女 |
35.4 歳 |
28万4,000円 |
68万7,100円 |
409万5,100円 |
※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
男女の年収差は、主に勤務形態・キャリアパス・労働時間の違いによるものです。男性は管理職への昇進やフルタイム勤務が多い傾向がある一方、女性は出産や育児、介護などライフスタイルの影響を受けやすく、時短勤務やパート勤務が生じやすい傾向があります。
育児休暇や介護休暇の取得は経験年数にも影響することから、年収の男女差としてあらわれていると考えられます。
また、国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査結果」によると、給与所得者の平均年収は、男性569万円、女性316万円です。全体平均と比較すると男性は約100万円低く、女性は約90万円高くなっています。
女性の平均年収が一般の給与所得者より高い理由は、言語聴覚士は専門職であり、パートや非正規雇用が少なく、雇用が安定しているためと言えるでしょう。一方、男性の平均年収が平均より低い理由は、医療・福祉分野の給与水準が他業界と比べて抑えられていること、比較的残業や夜勤が少ないことが考えられます。
【年齢別】言語聴覚士の平均年収
言語聴覚士の年齢別の平均年収は以下の通りです。
年齢 |
平均月給 |
平均賞与 |
平均年収 |
20~24歳 |
24万3,300円 |
39万4,600円 |
331万4,200円 |
25~29歳 |
26万0,000円 |
62万8,100円 |
374万8,100円 |
30~34歳 |
27万9,400円 |
71万1,700円 |
406万4,500円 |
35~39歳 |
30万6,300円 |
78万6,500円 |
446万2,100円 |
40~44歳 |
31万2,900円 |
81万4,500円 |
456万9,300円 |
45~49歳 |
32万8,000円 |
92万4,100円 |
486万0,100円 |
50~54歳 |
33万1,300円 |
86万2,700円 |
483万8,300円 |
55~59歳 |
38万8,800円 |
110万1,000円 |
576万6,600円 |
※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
言語聴覚士の平均年収は、55〜59歳の576万6,600円がピークです。こ経験年数の蓄積や昇進、役職手当の影響が考えられます。
全体的に給与はゆるやかに上昇し、30代には400万円台に達します。安定した収入を得られる一方、特定の年代で大幅な昇給が見込めるわけではありません。
【施設規模別】言語聴覚士の平均年収
施設規模 |
平均月給 |
平均賞与 |
平均年収 |
1000人以上 |
28万3,300円 |
84万2,800円 |
424万2,400円 |
100~999人 |
29万円 |
69万4,000円 |
417万4,000円 |
10~99人 |
30万3,700円 |
56万3,600円 |
420万8,000円 |
※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
言語聴覚士の平均年収は、施設規模による大きな差は見られません。しかし、月給と賞与、どちらに重きを置いているかといった点では、微妙な違いが存在します。
1000人以上の大規模施設では賞与が多く、10〜99人規模の施設は基本給が高い傾向にあります。 中規模施設は、比較的給与バランスが取れているが、賞与がやや低めです。
小規模施設は、業務負担が大きくなる可能性があり、給与が高めに設定されているとも考えられます。一方、転職の際には給与額の交渉が行えるメリットもあります。
安定した給与を求めるなら大規模施設、フレキシブルな働き方と給与交渉の余地を求めるなら小規模施設といった選び方も検討しましょう。
言語聴覚士が年収500万・600万 を目指す方法

言語聴覚士の平均年収は、日本の平均年収よりも低めの傾向があります。しかし、着実にキャリアアップを狙うことで年収500万、600万を目指すことは現実的に可能です。ここでは、年収アップの具体的な方法について解説します。
経験年数を積み重ねる
言語聴覚士に限った話ではありませんが、経験年数が長くなるほど重宝され年収が上がる傾向があります。下記は、言語聴覚士の経験年数と平均年収です。
経験年数 |
平均月給 |
平均賞与 |
平均年収 |
0年 |
24万8,600円 |
77万7,000円 |
420万8,000円 |
1~4年 |
25万4,100円 |
63万8,200円 |
376万200円 |
5~9年 |
27万7,400円 |
68万7,700円 |
368万7,400円 |
10~14年 |
30万6,300円 |
79万7,800円 |
401万6,500円 |
15年~ |
33万8,500円 |
95万2,900円 |
447万3,400円 |
※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
経験年数に比例し、年収が上がる理由として、経験を積むことで治療技術や判断力などのスキルが向上することが挙げられます。新人では対応が難しいケースも、経験者であれば適切な対応が可能です。
また、新人や後輩の指導役、教育担当としての役割を担うことが増え、主任やリーダー職に就く可能性が高まります。リハビリ科の責任者をはじめとした管理職に昇進した場合は、管理職手当などにより、さらに年収アップが見込めるでしょう。
関連する資格を取得する
業務に関連する資格を取得することで、資格手当がもらえる可能性があります。下記は、言語聴覚士に関連性の高い資格です。
資格名 |
特徴 |
認定言語聴覚士 |
・日本言語聴覚士協会主催
・言語聴覚士として満5年以上の臨床経が必要
・験摂食嚥下障害や失語症など、特定の専門分野における高度な知識と技術の証明となる |
LSVT®LOUD認定療法士 |
・パーキンソン病患者の音声治療法に関する認定資格 |
手話通訳士 |
・厚生労働大臣認定の公的資格
・聴覚障害者とのコミュニケーションを円滑に行うための手話通訳スキルの証明となる |
資格手当がつくかどうかは働く施設により異なります。ただ、「認定言語聴覚士」は専門性の高さから、昇給等によい影響を及ぼす可能性が高いでしょう。
副業をする
副業可能な職場で働いている方は、休日に副業を行う方法もあります。病院や有料老人ホームでの勤務や、非常勤・業務委託の形態での訪問リハビリは、副業として始めやすいでしょう。週1日や1件単位での業務が可能な職場を選ぶことで、本業とスムーズに両立できます。
他にも専門スキルを活かす副業として、病院や介護施設向けの研修講師、言語聴覚士養成校の非常勤講師、リハビリ関連の専門記事執筆、YouTubeやSNSを活用した情報発信による収益化などが挙げられます。
本業に負担をかけず、得意分野を活かした副業を選ぶことで、更なるスキルアップが目指せます。
転職をする
現在の職場環境が副業を許可していない、資格手当が支給されない、長く働くことが難しいなどの場合、転職を検討することが有効です。より良い待遇の職場へ移ることで、収入や働きやすさが向上する可能性があります。
転職のメリットは、資格手当や昇給制度が充実した職場を選べること、キャリアアップの機会が広がること、勤務条件やワークライフバランスを改善できることが挙げられます。
近年、言語聴覚士の認定資格や専門スキルを評価し、給与に反映する職場も増加しています。転職を考える際には、給与・待遇・職場待遇を確認し、長く働ける職場を選びましょう。
言語聴覚士に関するよくある質問

言語聴覚士に関するよくある質問に回答します。
言語聴覚士の年収は理学療法士・作業療法士 より低い?
大きな差はありません。言語聴覚士、理学療法士、作業療法士は、給与調査において一緒に集計されることが多く、平均年収に大きな違いはありません。
ただし、職場環境や勤続年数、役職などによって個人差が生じます。病院勤務の場合、夜勤がない言語聴覚士は、理学療法士と作業療法士に比べ、夜勤手当の有無により年収が若干低くなることがありますが、全体的な差は、わずかでしょう。
言語聴覚士は年収1000万円を狙える?
言語聴覚士の平均年収は約432万円、最も高い年収の年齢層でも約576万円です。病院や介護施設に雇用されている場合、年収1000万円に到達することは、現実的ではありません。年収を大幅に上げるには、副業により資格を活かしてセミナー講師や、大学教授、独立開業など、病院などの職員以外で活躍する場を模索する必要があるでしょう。
自分にあった職場で年収アップを目指す
言語聴覚士の平均年収は約432万円ですが、年齢が上がるにつれて年収も増加し、55〜59歳のピーク時には約576万円に達します。男女別の平均年収は、男性約452万円、女性約409万と、約40万円の差があります。また、経験や勤務先により、給与水準に差がある点も特徴です。言語聴覚士に限らず、経験を積むことで平均年収は高まる傾向があります。自分に最適な職場を探すことも重要です。資格取得や転職によるキャリアアップを視野に入れながら、年収アップを目指しましょう。
言語聴覚士として新しい職場を探している方には、医療・介護専門の転職サイト「メドフィット」をご活用ください。メドフィットでは、専門のキャリアアドバイザーが希望条件に合った求人を紹介し、面接対策や条件交渉もサポート可能です。無料で利用でき、入職後も継続的なフォローが受けられるため、転職活動を一歩リードできるでしょう。