「味覚障害」は、口の中ではなく「嗅覚機能」に原因

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米バージニア・コモンウェルス大学の研究グループによって、味覚消失(食事をしても全く味を感じない)などの症状を抱える「味覚障害」の原因は、必ずしも口の中にあるとは限らず、味覚機能よりも嗅覚機能に問題があることが明かになった。

同研究成果は、「International Forum of Allergy and Rhinology」(電子版)に2018年12月10日付けで発表された。

嗅覚障害を訴え、味覚・嗅覚の検査を受けた358人を対象に分析

同研究グループでは、同大学ヘルスシステム味覚・嗅覚クリニックを受診した患者(対象期間:1980~2017年、対象人数:1,108人)のうち、「味覚障害(全く味を感じないなど)」や「嗅覚障害(においを感じないなど)」を訴え、味覚・嗅覚の検査を受けた358人を対象に分析を行った

分析の結果、「味覚と嗅覚の両方に異常」があった患者(295人)では、その「86.8%」に嗅覚機能の異常がみられ、味覚機能の異常がみられたのは「9.5%」のみだったことが分かった。

一方、「味覚異常」のみを訴えた患者(63人)は、その「44.4%」に嗅覚機能の異常がみられ、「25.4%」に味覚機能の異常がみられた。

味覚障害の原因は「嗅覚の消失・異常」にあることを認識せず

同研究グループでは、今回の結果は、味覚の異常を訴える患者の多くは、味覚ではなく嗅覚機能に問題がある可能性が高いという仮説を裏付けるものとしている。

また、食べ物を味わうには、味覚と嗅覚という2つの感覚系が関与しており、味覚に異常を訴える患者の多くは、その原因が「嗅覚の消失・異常」にある場合が多いことを認識していないこと指摘している。

「鼻にある受容体」が風味に反応して味覚を補う役割

舌には「甘味」、「苦味」、「塩味」、「酸味」、それぞれに反応する受容体があり、これらの味を感じるには、「味覚」が重要な役割を果たすと考えられる。

しかし、食べ物の複雑な「風味」を感じるには、鼻にある受容体が風味に反応することで味覚を補っており、味覚よりも嗅覚が大きく関与しているという。

『米国国民健康栄養調査(NHANES)』によると、米国成人の「10%以上」は、「過去1年以内に食べ物の味を全く感じなくなった経験がある」と回答している。また、「23%」は「生涯に1度はにおいを感じなくなった経験がある」と回答している。

公開日 :2019.03.08 更新日 :2021.10.06

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