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九州大学は9月20日、二宮利治氏(同大大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野教授)が主任を務める久山町研究の一環として、竹内研時氏(同大歯学研究院口腔予防医学分野助教)と山下喜久氏(同教授)、松元幸一郎氏(同医学研究院呼吸器内科学分野准教授)らが共同で行った研究によって、歯周病の進行が『呼吸機能の急速低下』に関わることを明らかにしたことを発表した。
同研究成果は「Scientific Reports」に掲載されている。
従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称である「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」は、近年、世界的に増加傾向にあり、世界の死因の第4位はこの「COPD」が占めている。
「COPD」は、有害物質(たばこの煙を主とする)を長期吸入することで、成人期以降での『呼吸機能の経年低下』が急速化して発症するとされている。
今回、同研究グループは、喫煙以外の要因を検討するとして「歯周病」に着目した。
福岡県久山町の追跡調査データ(40歳以上成人1,650名)を分析し、呼吸機能検査による「一秒量の急速低下」との関連を検討。
検討結果からは、喫煙などの影響を加味した上でも、「歯周病の進行が最も軽度なグループ」と比較して、「歯周病が最も重度なグループ」では、3年以内に一秒量の急速低下が起きる割合は1.4倍高いことが明らかになった。
さらに、歯周病の症状が進行している人ほど、『呼吸機能の経年低下』が急速化しやすいことがわかった。
今回の研究成果から、自宅や歯科医院での「口の健康管理」は、歯周病予防だけでなく、『肺の健康』を守るためにも重要である可能性が示された。
同研究グループは、歯周病は、歯磨きなどのセルフケアや歯石除去などの歯科医院でのプロフェッショナルケアを組み合わせることで予防・管理できるため、『肺の健康』を守る目的でも、口の健康をしっかりと守ることは重要になるとしている。
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