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「ぼぼぼぼぼく」といった「同じ音の繰り返し」や「言葉のつまり(単語の途切れ)」などの特徴が見られる。これは幼少期には約20人に1人が発症するといわれる「吃(きつ)音」の症状だが、近年では、その実態調査やガイドライン作成などの有効な対策を探る動きがある。
この吃音の「言いよどみ」には調子の波もあって、例えば、同じ文章でも誰かと一緒に読む、メトロノームに合わせて朗読するなどで症状が出なくなるなど周囲にも左右されるケースも多い。
吃音の原因は、遺伝的な要因や脳の機能障害などがとも言われる一方、その詳細なメカニズムは解明されていない。また、緊張や不安、ストレスなどは症状を悪化させるとされる。
吃音の症状が現れるのは2~4歳からで、幼少期の発症率は5%ほどとされるが、3年ほどでその約7割は自然になくなるため、成人期の発症率では1%とされている。
吃音症の診断後に「発達障害者支援法」に基づき精神障害者保健福祉手帳を取得できるケースもあるが、「病気」か「障害」かの意見も別れ、それによって治療方針もバラつきが生まれる。
また、専門とする医師や言語聴覚士も少なく、実態も明確ではなく、学校生活などを過ごしやすくする治療ガイドラインなどの対策もなかった。
海外の医療機関では、吃音の子どもに対して「リッカムプログラム」と呼ばれる手法を用いられ、国内でも導入が増えている。家庭で子どもが流暢に話せたときは褒めたり、「いまのはどうだった」と自己評価を聞くことで、子ども自身が吃音を自覚して、数年かけて吃音をコントロールしていくようになるものだ。
言語聴覚士が家族に定期的にアドバイスを行い、褒める頻度を意識して増やしたり、言葉の内容やタイミングなどを確認する。
また国内では、子どもが楽に話しやすい環境を整え、滑らかに話す力を伸ばす「環境調整法」と呼ばれる手法が用いられてきた。
吃音はほとんどの子どもでは自然に症状がなくなるもので、専門家の数も不足しているため、効果的な対策を取ることが難しかった。このような中で、国内の学会などによる治療ガイドラインは現状ではない。
そのため、国内でも最先端の吃音を行う治療国立障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)では、認知行動療法を活用したグループ訓練法を開発(中学生以上を対象)しており、今後は2020年度までにその効果測定を行うとともに、ガイドライン作成も計画しているとしている。
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