脳卒中患者への早期の「在宅リハビリ」によるサポート

公開日:
最終更新日:

医療・介護の在宅シフトに伴い、リハビリの在宅シフトも近年注目される。
今回は脳卒中の「在宅リハビリ」の効果に焦点を当てた検証がデンマークの研究チームによって行われているので紹介したい。

脳卒中

脳の血管が詰まったり、破れたりすることで脳細胞が壊死する脳卒中。
頭痛やめまい、意識がもうろうとしたり、ろれつが回らなくなったりする症状が現れる。
他に顔や手足に力が入らずない、バランスが取れない、記憶障害になる、麻痺や嚥下障害、認知障害など、人によってさまざまな異常をきたす。
脳卒中を発症した場合のリハビリテーションでは、急性期・回復期・維持期リハビリなどに分けられ、病院のチーム医療で行う治療が主流になる。
しかし、機能障害を完全に回復させることは困難で、QOL(生活の質)を出来るだけ高めることが求められる。

訪問リハと既存の治療ガイドラインの効果を比較

今回、同研究チームでは、リハビリテーションが必要な脳卒中を発症し、3日以上の入院期間がある患者71人(男性30人、女性41人)を対象に、入院中から退院後4週間に「訪問リハビリテーションをする」群(38人)と「通常の治療ガイドラインに則ったリハビリテーションを行う」群(33人)にランダムに割り当て、それぞれの効果を測定した。
訪問リハ群では、患者の自宅でセラピストが1対1で患者の日常生活に即したリハビリテーションプログラムを行った(入院中は一時帰宅して1週間に1〜3回)。
セラピストは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が交代で各リハビリメニューを担当した。

「訪問リハ」群でより機能回復、患者のQOLが向上

それぞれの群について、脳卒中の発症後90日時点の障害の程度やQOLの評価などを分析した結果、障害の度合いではそれぞれの群の中央値が、「訪問リハ」群では「軽度の障害(身の回りのことは介助なしに行える)」に、「通常ガイドライン」群では「中等度の障害(何らかの介助が必要)」に機能回復しており、QOLスコアは、「訪問リハ」群でより向上していた
また、 訪問リハの総時間は、障害の度合い、日常生活における機能的評価、運動機能評価、QOLスコアと高い相関性があり、在宅リハビリに長い時間を当てた場合、運動機能やQOLなどがより大きく改善した。

「在宅リハビリ」の支援体制が不可欠

今回の検証では、脳卒中患者への早期からの在宅リハビリテーションは、通常の治療ガイドラインに則った治療よりも良好な結果が得られた。 脳卒中患者が、予後をより良好にするためにも、発症の早期発見や入院後から自宅復帰する際に受ける急性期治療に加え、急性期リハを在宅で行える体制が求められると言える。
しかし、これにはチーム体制で訪問リハを担当する多職種のセラピストも必要になる
今後、在宅リハビリの制度や支援体制が整っていくことで、脳卒中患者が自宅復帰後により有意義な生活が迎えられるかもしれない。

公開日 :2015.11.13 更新日 :2021.10.06

理学療法士の新着求人情報

  • 《賞与4.0カ月・退職金制度完備》長岡天神駅より徒歩3分の病・・・

    医療法人総心会 長岡京病院

    月給 216,000円-26・・・

    京都府長岡京市

    リハビリ業務/病院/外来/訪問/通所/日祝休み/土曜日隔週

     
  • 【学芸大学駅徒歩3分・年間休日124日】整形疾患メインのクリ・・・

    求人名非公開 ※詳細はお問い合わせ下さい

    年俸3,900,000円~ ・・・

    東京都目黒区

    外来又は訪問リハビリ業務

     
  • 《インセンティブあり・土日休み》首里城公園入口のバス停より徒・・・

    GladLife株式会社 りゅうたん訪問看護ステーション

    月給 240,000円~ ・・・

    沖縄県那覇市

    訪問リハビリ/慢性疾患/難病リハビリ/小児リハビリ/カンファレンス/担当者会議/土日休み

     

LINE公式アカウント

LINEにて情報配信中!あなたの転職活動をLINEでもサポート。エージェントへ気軽に相談や質問が可能です。

我々は「入職後の活躍」を見据えて、組織にフィットする方々をご紹介しています。
コメディカルのマッチングでは、10年以上の実績がございます。積み上げたノウハウを活かして、採用をサポートいたします。