『NF-κB活性』を阻害する低分子化合物の共同研究を開始

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千葉大学は4月11日、株式会社SEEDSUPPLY(本社:神奈川県藤沢市、樽井直樹社長)と『SWI/SNFcomplexに依存的なNF-κB活性を阻害する低分子化合物の探索』に関する共同研究契約を締結したことを発表した。

これは、日本医療研究開発機構(AMED)の創薬戦略部が実施する「創薬支援推進事業・創薬総合支援事業(創薬ブースター)」における支援テーマのひとつで、導出先企業として同社が公募により選定されたもの。

ストレスやサイトカインの刺激で活性化する「NF-κB」

タンパク質複合体で、ストレスやサイトカイン、紫外線などからの刺激によって活性化される「NF-κB」。

この「NF-κB」は免疫反応において中心的役割を果たしており、多くの上皮がんの開始・進展には、活性化を受けた種々の「NF-κBダイマー」が関与することが認められている

しかし、「NF-κB阻害剤」で、効果の高い抗がん作用を示すものは存在しない。

同剤は、「NF-κB」の活性化に至る特定のシグナル伝達経路上の重要分子を標的としており、他のシグナル経路とクロストークすると特異性が低くなったり、効果が部分的なものになったりするためだ。

伊庭英夫氏(同大真菌医学研究センター・特任教授)などの研究グループでは、これまでに種々の「NF-κBダイマー」とクロマチン構造変換因子「SWI/SNFcomplex」のアダプターの役割として、「d4-familyタンパク質(DPF1,2,3a/b)」が機能することを示してきた。

さらに、この「d4-familyタンパク質」のN端側がアダプター機能に重要なこと、またC末端側にはNF-κBダイマーの転写活性化に必要な制御領域があることを発見していた。

独自の「バインダ・セレクション技術」で化合物ライブラリから探索

今回の共同研究で、同社は、「d4-familyタンパク質」に対して、結合活性を有する低分子化合物を独自の「バインダ・セレクション技術」を用いて約40万化合物の化合物ライブラリから探索

同大では、これらの結合化合物のNF-κB阻害活性を培養細胞を用いて計測することで、高い阻害活性を持つ結合化合物を対象に、抗がん活性(足場非依存性増殖)などの細胞培養レベルでの高次評価系検索を行う方針。

両者間で得られた成果をリアルタイムで共有しながら作業を繰り返すことで、SWI/SNFcomplexに依存的なNF-κB活性を阻害する化合物の探索および、抗がん剤のシード化合物の選出を進める

抗がん剤のシート化合物選出、第三者との共同研究も模索検討

同社でのスクリーニングの結果、候補結合化合物はすでに見出されている。

今後は、抗がん剤のシード化合物の選出を行うことで、低分子化合物による「d4-familyタンパク質」への結合に由来する複数の生物活性との関係を明らかにしていき、また、第三者との共同研究も模索して行く予定としている

公開日 :2018.06.06 更新日 :2021.10.06

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