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精神疾患治療においては、重度の精神疾患に悩む患者やその家族、ケアにあたる医療従事者などでの適切な治療に役立つ情報の共有や、服薬アドヒアランスを効果的に記録できる体系的なアプローチを行うことが重要になっている。
一方で、友人や家族とのコミュニケーション、買い物など日常生活のあらゆる場面でスマートフォンをはじめとしたデジタル機器が活用されており、精神疾患治療における「デジタルメディスン」というカテゴリーを確立することで、重篤な精神疾患などを有する患者の治療計画に役立つ情報を新たな方法で収集することが可能になる。
大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、樋口達夫社長)とプロテウス・デジタル・ヘルス社(本社:米国カリフォルニア州、アンドリュー・トンプソン社長兼CEO)は11月14日、成人の統合失調症、双極性障害1型の躁病などへ適応する、世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト」の承認を米国FDAから取得したことを発表した。
今回FDA承認された「エビリファイ マイサイト」に使用される錠剤は、抗精神病薬であるエビリファイの錠剤に摂取可能な極小センサーを組み込んで製造したもの。
医薬品と医療機器を一体化して開発された世界初のコンビネーション製品(デジタルメディシン)。
同剤の適応である成人の統合失調症、双極性1型障害の躁病および混合型症状の急性期、大うつ病性障害の補助療法で使用される。
この錠剤を服用すると、患者の胃内で錠剤に組み込まれたセンサーが胃液に接してシグナルを発し、患者の身体に貼り付けたシグナル検出器「マイサイトパッチ」がシグナルを検出する仕組みになっている。
その後、センサーは体内で消化・吸収されることなく、安全に体外に排泄され、「マイサイトパッチ」に服薬の日時が記録される。
また、「マイサイト パッチ」には患者の服薬データだけでなく、患者の活動状況・活動量などのデータも記録され、スマートフォン専用アプリ「マイサイトアプリ」にデータ送信される。
患者自身が「マイサイト アプリ」から服薬状況や活動量を確認することができ、気分や睡眠の状況を追加で入力することも可能になっている。
これらの服薬データは、患者の同意を得て、家族・医療従事者・介護者などとのデータの情報共有を行うことが可能になっている。
両社では、このデジタルメディシンのシステムによって、服薬や活動の状況を把握することで、患者と介護者・医療者のコミュニケーションを促進し、それぞれの患者に適した治療の選択に寄与したいとしている。
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