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米ボストン大学の研究グループ(医学部泌尿器科)による小規模研究で、前立腺肥大症のホルモン系治療薬「デュタステリド」が、2型糖尿病・心疾患・脳卒中のリスクを増大させる可能性があることが示唆された。ここではデュタステリドが前立腺肥大の治療薬としてどのような効果があるのか、また長期使用による副作用などについて解説していく。
米ボストン大学の研究グループ(医学部泌尿器科)らが実施した小規模研究から、既に広く使用されている前立腺肥大症のホルモン系治療薬が、2型糖尿病・心疾患・脳卒中のリスクを増大させる可能性があることが示唆された。
この研究では、男性ホルモンの産生を阻害する5α還元酵素阻害薬「デュタステリド」を長期間使用した男性の血糖値や、悪玉コレステロールであるLDL-コレステロール(LDL-C)値の上昇が認められたという。
同研究結果は、2017年6月21日付けの「Hormone Molecular Biology and Clinical Investigation」(電子版)に掲載された。
デュタステリドは、2001年にアメリカ、2002年に欧州で承認され、日本では2009年に製造承認が取得された前立腺肥大症の治療薬だ。男性ホルモンのテストステロンを活性化させる5α還元酵素の1型と2型の両方を阻害し、肥大した前立腺の縮小を図る効果があり、尿流の改善や下部尿路症状を軽減させる。同様に5α還元酵素を阻害する薬としてフィナステリドがあるが、これは男性型脱毛症の進行遅延として臨床使用されており、前立腺肥大症に適応する5α還元酵素薬としては、デュタステリドが日本初である。
同研究グループでは、ドイツの泌尿器科単施設で前立腺肥大症の治療を受けた男性460人(年齢は47~72歳)を後ろ向きに追跡した。追跡期間は36~42ヶ月で、この間に3~6ヶ月ごとの血液検査を実施した。
このうち半数には、5α還元酵素阻害薬「デュタステリド」、残りの半数には異なる作用機序をもつ前立腺肥大症治療薬として「タムスロシン」が処方されていた。
追跡調査の結果では、「デュタステリド群」が「タムスロシン群」と比較して、下部尿路症状(LUTS)や国際前立腺症状スコア(IPSS)、前立腺特異抗原(PSA)を有意に改善することが認められた。 しかし、長期的にデュタステリドを使用することによって血糖値やHbA1c値、LDL-C値などが有意に上昇することが示されたという。(ただし、この研究は後ろ向き観察研究であるため、因果関係が認められたわけではない。)
同研究グループによると、デュタステリドには「ジヒドロテストステロン(DHT)」(前立腺肥大症に関連するホルモンの1つ)の産生を減少させ、前立腺をおよそ18~20%縮小させる効果がある。
一方で、このDHTは肝臓などの他の器官の機能においても重要な役割を担うため、DHT減少によって健康に未知の影響がある可能性もあるという。
(なお、タムスロシンはホルモンには影響せず、前立腺の平滑筋組織を弛緩させることによって効果を発揮する薬剤。)
同研究グループでは、今回の研究結果から「5α還元酵素阻害薬(デュタステリド、フィナステリドなど)」での治療開始前に、医師と患者の十分な話し合いが必要だとしている。
これに対して、今回の研究はランダム化比較試験ではなく、プラセボとの比較も行われていない、規模も小さいなどで、過去の大規模臨床試験の結果とも矛盾しているため、現在の治療法に変更を迫る結果ではないという声も上がっている。
今後、今回の結果を確実にするさらに大規模な研究での検証を行う必要がありそうだ。
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