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国内で非常に稀に見られる『周期性発熱症候群』は、炎症性サイトカインが過剰に産生することにより、慢性的な炎症反応及びそれに伴っての進行性の組織障害を引き起こす疾患だ。
疾患特異的な治療が求められる遺伝性疾患で「自己炎症性疾患」とされる。この「自己炎症性疾患」という概念が提唱されたのは比較的最近の1999年と比較的新しい概念だ。
これは自然免疫系の遺伝子変異が原因で発症し、獲得免疫系の異常を病態とする「自己免疫性疾患」とは区別される。
国内では、昨年12月にノバルティスファーマ株式会社の「イラリス(R)皮下注用 150mg」(一般名:カナキヌマブ)が周期性発熱症候群のうち「既存治療で効果不十分な家族性地中海熱(FMF)」「TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)」「高IgD症候群(HIDS)(または、メバロン酸キナーゼ欠損症(MKD)」の治療薬としての効能追加が適応になっている。
『周期性発熱症候群』は規則的な周期で発熱を引き起こす「周期熱」で発症することが多く、皮疹(ひしん)や関節痛、消化器症状などを伴う。
また、発熱のコントロールが難しため患者のQOLを著しく低下させ、さらに高度な炎症の持続が原因で成長障害や臓器障害をきたす。同症候群に含まれるのは、最も発症頻度の高い家族性地中海熱(FMF)でも国内の患者数は500人程度。すでにイラリスの適応疾患であったクリオピリン関連周期性症候群(CAPS)は約100人、TRAPSは約30人、MKDは国内では4家系6名の報告があるのみといずれも非常に稀な疾患。
しかし、AAアミロイドーシス(血清アミロイドAの組織沈着)の合併が見られると、腎臓・心臓・消化管に障害をきたし、生命予後にも影響する重篤な症状を呈するため問題になっている。
同症候群は遺伝性の疾患であって長期的な治療が必要となるため、副作用を抑えた疾患特異的な治療が求められる。
今回、イラリスの適応追加となっている疾患の1つ、FMFは、周期性の発熱に加えて胸膜や腹膜などの漿膜炎を発症するが、虫垂炎と誤診されるケースも多いという。コルヒチン(痛風治療薬)を内服すると9割の患者では症状のコントロールが可能になる一方で、残りの1割程度における治療法開発が待たれていた。
TRAPSは、5日以上続く周期性発熱に加え、筋肉痛や眼痛(結膜炎・眼窩周囲浮腫)、腹痛、皮疹、胸痛、関節痛など様々な症状を伴う。副腎皮質ステロイドが有効であることが分かっているが徐々にその効果は減弱するため、服用量が増量されてしまう。また、症状が似た小児リウマチと誤診されているケースもある。
MKD(原因遺伝子が特定される以前は高IgD症候群と呼ばれる)は、MVK遺伝子異常によるメバロン酸キナーゼの欠乏が要因で、乳幼児からの原因不明の周期性・遷延性の発熱に加え、多くは消化器症状や慢性全身炎症による成長発達障害を伴う。また、肝障害や腎障害の合併が見られる。
MKDは免疫抑制剤や生物学的製剤が無効で他疾患が否定的な場合に、MVK遺伝子解析を行うことで高精度で確定診断できるという。
これらの疾患ではいずれも、遺伝子異常による「IL-1β」の過剰産生が炎症に関与していると考えられており、近年では抗IL-1療法の研究は進めらている。イラリスは「抗IL-1β」抗体であり、「抗IL-1」作用を有する薬剤だ。同剤のFMFやTRAPSへの有効性に関する報告も増えている。また、虫垂炎や関節リウマチ、関節炎などの診断を受けても既存治療が無効である場合は、周期性発熱症候群の疑うことも検討される。
「IL-1β」が病態と推定される疾患は周期性発熱症候群の他にも存在するため、今後はそれらの臨床応用も期待される。
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