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国内における漢方や生薬の消費量が増えている一方で、それらの原料となる「薬用作物」は8割以上を中国からの輸入に依存しているのが現状だ。
そのため中国での需要が増えると、今後日本国内での薬用作物の安定的な輸入が困難になることで、漢方・生薬の供給に影響が出る可能性もある。
そのような背景から、今年10月から厚生労働省と農林水産省、日本漢方生薬製剤協会(日漢協)(東京都中央区、加藤照和会長)では共催で、薬用作物の産地化と国内産の薬用作物の生産拡大に向けて地域相談会を開催している。
薬効を目的に天然の植物など乾燥させたり、煎じたりするなどして活用する「生薬」は世界各地で伝統的に用いられている。また漢方医学に基づいて複数の生薬を処方する「漢方」は、生薬とは厳密には同一ではないが、いずれにおいてもその元になる薬用作物が原材料として必要になる。
薬用作物は、その成分を抽出することで医薬として用いる植物自体を指すが、生薬や漢方の消費量が増えている一方で、この薬用作物の生産は中国で行われているものに依存しているため、安定的な国内供給には薬用作物の国内生産を増やすことが不可欠になるといえる。
10月から年末まで全国8ブロックにおける薬用作物の産地化に向けた地域相談会を主催しているのは薬用作物産地支援協議会(東京都中央区、坂野雅敏会長)。
これは薬用作物の産地化を希望する自治体の担当者・生産者などを募集し、薬用作物の生産や需給情報などに関する個別の説明・意見交換を行うものだ。
この地域相談会はこれまでに平成25年度からの3年間で開催されており、今回は4回目となる。過去には産地化希望者と実需者間のマッチングも行い、試作や取引開始などの成果もすでに現れているようだ。
農林水産省では、2012年に『「食」に関する将来ビジョン』加速化案として、漢方原料の安定的な国内生産体制の構築を取り上げている。これは「食」に関する将来ビジョン検討本部によるもので同プロジェクトの1つとしても、生薬の国内生産に必要な情報を生産現場に提供するために「薬用作物に関する情報交換会」を開催している。
今回の地域相談会では、今後の国内での薬用作物の安定供給や需給のために、生産者・産地サイドの相談を受けながら実需者サイドとのマッチングを深めていく方針だ。
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