健康食品ブーム、「健康食品の知識・理解不足」の実態が明らかに

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お茶やヨーグルトや豆乳、納豆、トマトなどの健康食品ブーム。
販売元の企業が論文などの科学的な根拠を示すことで、国の審査を必要としないで食品の健康への効用を表示できる「機能性表示食品」制度が昨年4月からスタートして1年が経ち、様々な食品やサプリメントが健康食品としてコンビニやスーパーなどに並び始める中で、消費者はその違いや内容を理解できているだろうか。
国内の製薬企業で構成される一般社団法人くすりの適正使用協議会(東京都中央区、黒川達夫理事長)が3月9日に発表したインターネット調査「健康食品・医薬品の知識と意識に関する調査」の集計結果では、機能性表示食品の意味を理解していない人は約7割に上っていることが分かった。

健康食品や医薬品の知識・意識調査

同法人では、機能性表示食品を含む健康食品や医薬品への知識・意識の実態を明らかにするために、2月6日~9日の期間に全国の20~70代の一般成人男女600名(各年代100名ずつ)を対象にしたインターネット調査「健康食品・医薬品の知識と意識に関する調査」を行った。
この調査の中で、「機能性表示食品の使用経験がある」と答えた人を対象に、実際に利用した機能性表示食品の品目や製品名を回答してもらったところ、特定保健用食品(トクホ)などの機能性表示食品以外を回答した人が8割以上にも上るなど、機能性表示食品の意味を理解していない人は約7割に上った。 また、「健康食品にも副作用がある」ことを理解していない人も半数以上と理解不足が露呈される結果になった。
(臨床検査技師コラム :4月から機能性表示食品制度がスタートも参照)

健康食品と医薬品の違いや適正な摂取量などへの理解が不足

健康食品と医薬品との違いという点では、同じ効用や機能が謳(うた)われていても「健康食品と医薬品では効き目が違う」ことを理解していない人が約4割に上り、さらに『特に伝える必要がないと感じた』などを理由にして、約半数の人は「健康食品と医薬品の併用を医療関係者に伝えたことがない」ことも分かった。
その他にも「健康食品にも摂取目安量がある」ことを知らない・気にしたことがない人は約7割で、使用経験があると回答した人の約6割は目安量を越えて摂取している可能性が分かっている。
今回の調査から、健康食品全般及び機能性表示食品、そして健康食品と医薬品との違いに関する理解はまだまだ低くとどまっていることが分かり、医薬品との併用時には相互作用が働いてしまう可能性があるために注意が必要になるが、その認識も弱く、健康食品と医薬品をしっかりと区別して使用していないことが浮き彫りになった。

「セルフケア」に健康食品も半数以上、知識を増やし賢い利用を

本来、「医薬品」は病気やケガの治療のために用いるもの。それによって副作用などの健康被害を引き起こしたり、治療効果を妨げることがないように、「健康食品」を併用して摂取する場合は、摂取目安量などのその正しい知識と理解が欠かせない。
同調査では、自分自身の健康を守り、身体の不調を自身で予防する「セルフケア」を実践するに当たっての1位は「バランスの取れた食生活」、2位は「適度な運動」、3位は「定期的な健康診断」を実行するという結果になった中で、「健康食品の摂取」を挙げる人も半数以上となっている。
健康食品は今後もその市場が拡大し、生活の中で消費者が目にする機会も増えるようになると予測されるが、その摂取がなぜ必要なのかを考え、賢く利用する必要があると言えそうだ。

公開日 :2016.05.16 更新日 :2021.10.06

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