複数の身体疾患を持つ患者に重複投薬、処方実態調査で

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国が導入を推進する「かかりつけ薬剤師」における役割では、薬剤師は患者の薬の飲み残しや重複を防ぐことでの薬の適正使用を求められている。 今回、奥村泰之氏(医療経済研究機構主任研究員)らが行った抗不安薬・睡眠薬のシェアの大部分を占める「ベンゾジアゼピン(BZ)系薬剤」に関する処方実態調査において、複数の身体疾患を併存する人ほど重複投薬の可能性の高い>ことが明らかになった。 この内容は12月2日付けで医療経済研究機構がプレスリリースしている。

広がる患者への重複投薬

ベンゾジアゼピン(BZ)系薬剤は、薬への耐性や依存性が生じにくいことや副作用が比較的少ないことで安全性が高いとされ、抗不安薬や睡眠薬一としての国内での使用量が多く、その反面、同一患者に複数の医療機関から同じ薬が処方される「重複投薬」が広がっているのではないかと懸念されていた。 厚生労働省のガイドラインでは、レセプト(診療報酬明細書)等を利用して重複投薬を防ぐ必要性が提言されているが、現場での対応は不十分で、どのように防げばいいのか明確になっていない状況にあった。

患者の「1割以上」が多施設で重複して処方、1ヶ月以上継続の患者も

同氏らの調査では、健康保険組合のレセプトデータベース(期間:2012年10月~2014年9月の2年間、対象:組合加入者約118万人)において、BZ系薬33種類の重複投薬の状況を調べた。
その結果、1年間にBZ系薬の処方を受けた施設数が「2施設ある」が6,120人(10.5%)、「3施設ある」が982人(1.7%)、「4施設以上ある」が282人(0.5%)となり、複数の施設で処方されていた患者が12%を超えていたことが分かった。
さらに2施設以上から1ヶ月以上継続してBZ系薬の重複処方を受けている患者も757人(1.3%)いることが明らかになった。

複数の身体疾患がある患者では重複投薬が倍近く

また、今回の調査で糖尿病や脳血管障害などの身体疾患の併存別に重複投薬の割合を見たところ、2つ以上の身体疾患を持つ患者は、1つの患者と比べて重複投薬の割合が1.8倍高いことも分かった。
奥村氏らは複数の治療でそれぞれが意図せずに重複投薬が生じていると見ており、その改善には複数の身体疾患を併存している患者を中心にして、対象の患者に対して薬剤師の関与を一層強化することなどの対策が求められると提言した。

公開日 :2016.02.04 更新日 :2021.10.06

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