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緑内障は加齢による眼圧の上昇などで発症するが、発症後の視神経の異常や視野欠損は改善されない不可逆性の視機能障害である。
その進行を抑制するのに現在唯一効果の得られる治療法として「眼圧下降」がある。
一方、高眼圧症では緑内障のような徐々の視野異常や暗点などの自覚症状がないものの緑内障と同様に眼圧が高くなる(眼圧異常)。
大塚製薬株式会社(東京都千代田区、樋口達夫社長)では9月28日、緑内障と高眼圧症の治療を目的にした配合点眼液「ミケルナ(R)配合点眼液」の国内製造販売承認を取得した。同社のニュースリリースで発表している。
今回、大塚製薬が製造販売承認を取得した「ミケルナ配合点眼液」では、従来から緑内障治療の有効成分として使用されていた「ラタノプロスト」とβ遮断薬の「カルテオロール塩酸塩」の2つの有効成分を配合している。どちらも眼圧降下作用についての有効性・安全性が確認された。
緑内障・高眼圧症治療向けの治療剤としては、今年4月に製薬会社のファイザー株式会社(東京都渋谷区、梅田一郎社長)が「ザラカム配合点眼液」(一般名:ラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩)を発売した。これは、緑内障治療剤としては国内で初めて複数の有効成分配合の点眼剤となっている。「ラタノプロスト」とβ遮断薬である「チモロールマレイン酸塩」を配合した点眼剤だ。
有効成分「ラタノプロスト」は、1日1回点眼の利便性の良さもあって、主流の現在緑内障・高眼圧症治療薬として使用されてきた。
さらに大塚製薬では非選択型β遮断薬として「カルテオロール塩酸塩」を独自に創製している。β遮断薬は、主に心臓を興奮させる交感神経「β受容体」を遮断する作用があり、高血圧治療薬などにも使われる成分だ。
緑内障治療では、原則としては単剤による治療をスタートするが、眼圧下降が十分でない場合には複数の点眼液を併用することが多い。
一方、多剤併用による患者の服薬アドヒアランスが低下が問題になる。多剤併用では、薬ごとに点眼する間隔を開けなければならず、患者によっては正しい点眼時間間隔が保てないことで本来の治療効果が望めないなどの課題があった。
今回のような複数の有効成分か配合された点眼薬では、このような多剤併用の必要がなくなり、服薬アドヒアランスの低下を防止できると考えられる。
大塚製薬では「ミケルナ配合点眼液」について、眼科薬のパイオニア企業である千寿製薬株式会社(大阪府大阪市中央区、吉田有宏社長)とコ・プロモーション(医療品の並行販促)を行っていく予定。両社では、今年9月に緑内障・高眼圧症治療薬における販売提携契約を締結している。
また今後は緑内障領域の販売提携の拡大として、同配合点眼剤以外でも千寿製薬が新たに開発する緑内障・高眼圧症治療薬の共同販促を進めていく方針だ。
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