視覚障害者がダンプ事故死、県が警報ブザー義務付けを提言

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視覚障害者にとって、外出の際などに身の安全を守るのに最も頼りになるのが「音」だ。 しかし、徳島市では10月3日、視覚障害者の男性(50)と盲導犬が道路脇の資材置き場にバックで入ろうと警報ブザーを鳴らさずに後退していたダンプカーにひかれて死亡するという事故が起こった。
この死亡事故を受けて、徳島県は同月5日、県内の運送業・建設業の各団体に対し、車の後退時にはブザーを鳴らすよう交通安全対策の徹底について協力依頼し、運転手にもその徹底と障害者・高齢者に配慮した運転を奨励するチラシを作成するなど対応を取ることを報告した。
さらに同月9日には、県交通安全対策協議会による緊急幹事会を開き、県警や協会関係者など約50人が交通安全対策について話し合った。 その中で、トラックなどの貨物車がバックする際には、警報ブザーなどを鳴らすよう運転手に義務づける法改正などを盛り込んだ政策提言をまとめた
同月14日には、飯泉嘉門同県知事が国土交通省と警察庁を訪れ、『障がい者や高齢者等を守る交通安全対策について「徳島発の政策提言」』として提出した。

バックの際の警報ブザーが鳴らず

今回の事故では、車がバックする際の警報ブザーは鳴らない状態だった。
現在の法律には、車をバックさせる際、「ピー、ピー」などと鳴って注意を促すブザーの設置や警報音を鳴らすことは義務付けられていない。 そのため現状では、メーカー側が自主的に安全対策として車に装備しているに留まる。 事故を起こしたダンプは大手・いすゞ自動車製で、ブザーも装備されていたが、事故当時、運転手がブザーのスイッチを切っていたという
音が周りの状況を知る限られた手段となる視覚障害者にとって、車のブザーやエンジン音が聞こえれば、音に警戒して、歩行のスピードを遅くしたり、立ち止まるなど出来る
しかし、今回のようなブザーを鳴らさない場合や停車するとエンジン音がほとんど聞こえない車などは危険になる。
昨年9月にも新潟県で視覚障害の40代の女性が車にはねられ、意識不明の重体になり、盲導犬が死亡する事故が起きていた。

警報ブザーの義務化を提言

今回の提言では、視覚障害者への社会的な理解が不足しているとし、視覚障害者に対する日常生活の潜在的なリスクへの理解・周知の啓発を訴えた。
また、道路運送車両法と道路交通法の改正によって、車両後退時の警報ブザーや音声装置の車両への取り付けの義務化と、車両後退時には常時、それらを鳴らすことの義務化の両方を求めた。
さらに、ハイブリッド車や電気自動車などのエンジンやモーター音が静かな車は、歩行者などが近づいた際に知らせる「車両接近通報装置」の装備を義務化することと、今回の事故のような歩行者が車両の死角に入ってしまった場合に、車両を緊急停止や衝突回避するシステムの技術開発・普及を図ることも合わせて提案した。

交通安全運動の名称も変更

同県では、毎年10月下旬に実施する「高齢者交通安全県民運動」の名称を、今回から「障がい者・高齢者交通安全県民運動」に変更した。 歩行者への道路横断する際の左右の安全確認や夜間外出時の反射材の着用などのほか、運転者への障害者や高齢者の行動に配慮した思いやりのある運転などを求めている。

公開日 :2015.11.02 更新日 :2021.10.06

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