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心臓が弱って、心臓のポンプ機能が低下することで、最も軽いレベルでも発症から1年以内に5~10%が死に至るとも言われる心不全は、日本国内における患者が100万人を超える。
心不全は、いわば心臓が十分に働いていない状態であり、 心筋梗塞や心肥大、不整脈などの心臓の病気が行き着く最終的な段階とも言える。
しかし、生活習慣を改善することや糖尿病・高血圧などの治療に取り組むことで、その発症や進行を抑えることも可能だ。
心不全は、息切れや動悸、むくみなどの症状が悪化して、日常生活に支障をきたすこともある。
主な原因は、心筋梗塞(心臓を動かす筋肉に十分な血液が送れない状態)、心肥大(心臓に過大な負担がかかった状態)、不整脈(心房細動など)。
さらに、これらの病気の元をたどると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある。
加齢によって、心が弱っていくのは避けられないものの、運動や食事などの生活習慣を見直することでリスクを低減させることは可能だ。
日本循環器学会と日本心不全学会は今年3月、心不全の新診療指針を出した。「心不全は予防できる病気」であるとして、「予防」の項目を新たに設けたのが特徴だ。
新指針では、進行度に応じて4ステージに分類。予防のタイミングや内容を説明している。
ステージAは、心臓に異常はないが、心不全のリスクとなる生活習慣病がある段階だ。予防の第1段階としては、運動やカロリー制限による減量、減塩、禁煙など、生活習慣病の悪化を予防することだ。
ステージBになると、狭心症や心筋梗塞、心肥大など、心臓の病気が表れる。予防の第2段階は、服薬も開始し、生活習慣病の治療を行う必要がある。
ステージCは、心不全を発症した段階になる。ここでは、予防の第3段階で、心不全の症状の急激な悪化の抑制のために生活習慣病の治療を徹底することが必要になる。予防が可能な最終段階だ。服薬治療の他、弁膜症・心筋症などの手術を行うケースもある。
ステージDは、心臓移植や緩和ケアなどに移る。
心不全の患者は増え続けており、2030年には130万人を超えると推定される。
生活習慣病(糖尿病や高血圧など)は症状が出にくく、治療を怠りがちだが、生活習慣病が引き金となって、心筋梗塞を発症し、心不全を招くというケースも多い。
再発予防や治療には、心臓の負担を軽減する薬を飲み、糖尿病などの治療を食事から見直すことになる。
症状が出なくても、治療をしっかり続けることが、発症や悪化の予防に重要だ。
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