マグネシウムの摂取、心臓病リスクを低下

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国立がん研究センター(東京都中央区、中釜斉理事長)や国立循環器病研究センター(大阪府吹田市、小川久雄理事長)の研究グループでは、9月8日、「食事からのマグネシウム摂取量と虚血性心疾患発症との関連」に関する多目的コホート研究(JPHC研究)の報告として、マグネシウム(Mg)を多く摂取することで、「虚血性心疾患」(心筋梗塞など)の発症リスクが約3割低下するなど、心臓病リスクが減少するとの大規模調査結果を発表した。

マグネシウムの摂取量と心筋梗塞のリスクの関連を明らかにしたものは国内初で、マグネシウム不足が血圧上昇や動脈硬化につながり、心筋梗塞の原因になりうるという。

8月24日付けの栄養学専門誌「Clinical Nutrition」(電子版)に掲載されている。

魚や豆腐・海藻類に豊富な「マグネシウム」、摂取不足の傾向

カリウムやカルシウム、マグネシウムなどの「ミネラル」は、食事から摂取する必要がある栄養素の一種で、循環器疾患を予防につながることが分かっている。

マグネシウムは、魚や果物・野菜などの食物繊維、大豆などに多く含まれるミネラルの一種で、骨の形成や筋肉の収縮などにも関わる。マグネシウムが不足すると、血圧上昇や動脈硬化につながる。国内では1日270~370ミリグラムの摂取(成人男女)を推奨している。

例えば、150グラムの「絹ごし豆腐」であれば、60~70ミリグラムのマグネシウムが摂取できる。しかし、2015年の調査では、平均摂取量が約250ミリグラムと不足している傾向だった。

マグネシウムを多く含む食品は、以下の通りだ。

海藻…アオサ、アオノリ、コンブ、ワカメなど
ナッツ類…ヒマワリの種、ゴマ、アーモンドなど
魚介類…干しエビ、サクラエビ、イワシなど
大豆製品…きな粉、豆腐など
穀物・野菜類…玄米、カボチャ、パセリなど

摂取量の多いグループで、心筋梗塞リスクが約3割低下

今回、同研究グループでは、長野・岩手・高知など8県に住む男女約8万5千人(1995年・98年時点で45~74歳)の食事内容・頻度などを追跡調査。マグネシウムの摂取量を推計した。

約15年の追跡期間中、1283人が心筋梗塞などの虚血性心疾患を、4110人が脳卒中を発症していた。

対象者をマグネシウム摂取量に応じて5グループに分け、カルシウムなど他のミネラルの量が与える影響が出ないよう分析・比較したところ、摂取量が一番多いグループの心筋梗塞の発症リスクは、一番少ないグループより約3割(男性34%、女性29%)低下していた

また、マグネシウムを食事から多く摂取する人は、ナトリウム、カルシウム、カリウムなど他のミネラルの摂取量も多い傾向が見られた。

「心筋梗塞予防」に魚や豆腐、海藻などのマグネシウムが多い食品を

同研究グループでは、今回の結果から改めて、適切な量のマグネシウムを食事で取ることが、循環器病の予防につながる可能性があるとしている。 また、心筋梗塞の予防を期待して、魚や豆腐、海藻などのマグネシウムの多い食品を積極的に取り入れた食生活を心がけてほしいともしている。

公開日 :2017.11.22 更新日 :2021.10.06

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