「マンガン」を含む食品を摂取すると妊娠中のうつ症状の予防に

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身体の維持に不可欠なミネラルは、これまでのいくつかの疫学研究において「亜鉛」、「マグネシウム」、「鉄」などのミネラル摂取によるうつ症状との関連性が複数調査されているが、その予防効果についてははっきりとしていなかった。

一方で「銅」と「マンガン」の摂取については、過去にひとつずつの研究で予防効果との関連が認められていた。

今回、愛媛大学では妊娠中のマンガン摂取がうつへの予防的な関連があることを示す研究成果を発表した。

この研究は同大学、国立保健医療科学院、東京大学、琉球大学の共同研究グループによるもので、同研究成果は、2月2日付けで学術誌「Journal of Affective Disorders」(電子版)に掲載された。

ミネラル摂取と「妊娠うつ」との関連性を調査、マンガンに抑制効果

今回共同研究グループではミネラル摂取と妊娠中うつ症状との関連を九州・沖縄母子保健研究のベースライン調査に参加した1,745人の妊婦を対象として大規模に調査した。(2007年4月から1年間)

その結果、「妊娠うつ」の症状が見られた妊婦はおよそ5人に1人(19.3%)で、交絡因子を補正した解析結果では、亜鉛、マグネシウム、鉄、銅のミネラル摂取とうつ症状との関連は有意ではなかったものの、マンガン摂取は統計学的に有意に妊娠うつの症状の予防的な関連が認められたという。マンガンが多く含まれる食品としては、茶類やのり、しょうがなどがある。

食品では大豆製品や魚介類・ヨーグルトに抑制効果

また、肉や魚、豆腐、ヨーグルトなど約150種類の食品の摂取量を基にして、食品の種類ごとに4グループに分類して、それぞれのグループの妊婦うつの関連性を調査した結果、大豆製品(豆腐、納豆など)を多く食べた妊婦は、それらの摂取が最も少ない妊婦に比べ、うつ症状が6~7割に下がっていたことがわかった。また、魚介類でも6割、ヨーグルトでは7割までうつが低下した。

一方、牛肉や豚肉などを多く食べた妊婦は、最小グループより1.7倍もうつ症状になりやすい傾向もみられた。これは、飽和脂肪酸の摂取量が増えたことが要因だという。

牛乳では産後うつの発症割合が低下

牛乳は妊婦うつ症状との関連性はみられなかった。ただ、出産4か月後の追跡調査では、妊娠中に牛乳を多く飲んだ人はあまり飲まなかった人に比べ、産後うつの発症割合が下がる傾向がみられた。

一般的にイソフラボンなどが豊富な大豆製品はうつの予防に効果があるとされていたが、今回の研究成果はそれを支持する結果になったようだ。同共同研究グループでは、今後も研究データの蓄積は必要だが、マンガンを多く含む食品を多く摂取することで、妊娠中のうつ症状を予防できる可能性を示す成果だとしている。

公開日 :2017.04.05 更新日 :2021.10.06

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