牛などの「赤肉」の食べ過ぎによる大腸憩室炎リスク

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食の欧米化や繊維成分の摂取減少が原因で、増えている病気が大腸の一部が炎症を起こす「大腸憩室炎」だ。

米・マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)の専門家チームによって、米国の4万6500人分の男性医療従事者の26年間の診療記録(4年ごとの魚肉、鳥肉、赤身肉の摂取について)を調査した結果、牛や羊などの赤身肉を多く食べると、大腸憩室炎(けいしつえん)になるリスクが高まることを示唆する研究論文が、1月9日付けの消化器病学専門誌「Gut」(電子版)に掲載された。

便秘などによる『大腸憩室炎』

憩室(けいしつ)は大腸の壁の一部が袋状にふくらみ、飛び出してできる部位で、大腸憩室炎はその憩室で細菌が繁殖して炎症を起こす疾患。加齢などに伴い後天的にできることがほとんどで、憩室があること自体には特に症状が無いため、大腸検査がきっかけで偶然発見されるケースも多い。

しかし、便秘などで便がつまって炎症を起こす(この炎症が大腸憩室炎)と吐き気や腹痛(下腹部痛や圧痛)・発熱などの症状が現れる。また、ごくまれに裂傷による急な大出血でのショック状態なども見られる。

大腸憩室炎の発症原因としては、これまで喫煙、肥満、消炎剤(炎症を治す薬剤)の常用などが主に指摘されていたが、詳細の原因については分かっていない。

赤身肉が大腸憩室炎リスクの上昇に関連か

今回の専門家チームによる研究結果では、26年間で大腸憩室炎を発症した(『発症グループ』)のは764人だった。この『発症グループ』では赤身肉を多く食べる傾向があることが分かったという。また、『未発症グループ』と比較した場合では、「喫煙量」・「鎮痛剤の服用量」が増えていたが「運動量」が減っていたという。

さらに、赤肉の摂取量の『上位20%』(週平均12サービングを摂取する)を『下位20%』(週平均1サービング強を摂取する)と比較したところ、大腸憩室炎と診断されるリスクが約6割高まっていた

同研究チームでは、1日1サービングの赤肉の摂取を鶏肉か魚の摂取に置き換えた場合、大腸憩室炎リスクが20%程度低減するとも推定している。

野菜などの「繊維質」や魚・鶏肉・豆類での「タンパク質」摂取が重要

今回の研究結果は「年齢」・「喫煙」・「肥満」・「運動不足」・「食物繊維不足」などを考慮した上で解析しており、赤肉(特にステーキなどの未加工肉)の摂取によって大腸憩室炎リスクが高まることは示唆された。今回の研究では男性医療従事者が対象ではあるものの、専門家チームでは、男性に限らず女性にも健康的な食事を推奨している。

また、赤肉の摂取は大腸疾患に関わりがあることはこれまでの研究でも確認されているため、野菜などの繊維質や全粒穀類(玄米、オートミールなど)の摂取、赤肉以外のタンパク源(魚、鶏肉、豆腐、豆類など)を摂取することも重要としている。

また、同研究チームでは赤肉の大量摂取による心疾患やがんリスク上昇への関連が明らかになっている中で、赤肉を制限する新たな1つの理由になるとも警告している。

公開日 :2017.03.28 更新日 :2021.10.06

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