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ヒトの全身や脳の神経系を構成している神経細胞は、例えば、胃腸には1億個以上の神経細胞が存在しており、胃腸の働きや消化ホルモンの分泌を調節する役割を担っている。
東京大学と米・コロンビア大学などの共同研究グループでは2016年12月15日付けで、胃がんのがん細胞が神経成長因子(NGF)と呼ばれるホルモンを生産することにより、胃に過剰な神経ストレスが発生することで胃がんの進行が加速するメカニズムを突き止めたことを米国科学誌「Cancer Cell」(電子版)で発表した。
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染が原因となり、国内では慢性胃炎や胃潰瘍だけでなく、胃がんを発症するケースが欧米諸国と比較して高く、多くの胃がん症例が見られている。
その中でも「進行胃がん」では予後が不良で、5年生存率は2割に満たず、抗がん剤や放射線治療の効果も上がらないのが現状だ。
胃がんと同じ「消化器がん」である大腸がんでは、分子標的薬を含む新薬の効果が発揮されている一方で、胃がんでは胃がん周辺に造られて、胃がん細胞の増殖や生存を助けている「腫瘍微小環境」により薬剤が効きづらくなっていると考えられている。
この胃がん周辺の腫瘍微小環境には、神経細胞や免疫細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞などの複数の細胞が存在している。
これまでにも同研究グループでは、神経細胞に着目しており、神経シグナルが胃がんの発症に重要であることは突き止めていた一方で、そのメカニズム解明や治療法の確立が課題だった。
そこで今回、研究グループでは、マウスの胃がん組織の観察実験で胃がんが進行する過程で神経伝達物質の「アセチルコリン」による刺激が神経成長因子(NGF)と呼ばれるホルモンを産生していることを確認。
これに反応するように胃がん組織に神経細胞がどんどん集まる形で、強い神経ストレス刺激が加わることで進行胃がんの症状をさらに加速するメカニズムを世界で初めて明らかにした。
また、神経成長因子(NGF)阻害剤を使った場合やアセチルコリンの産生に関わる細胞、アセチルコリンに反応して神経ストレスを放出する細胞を除去することにより、胃がんの進行を抑制できることも確認できたという。
今回の研究成果から研究グループでは、従来の抗がん剤に加えて、神経細胞との相互作用を抑える「抗NGF抗体」や「NGF受容体阻害剤」を組み合わせることで神経ストレスが胃がんに与える影響を抑制して、胃がん治療の効果を高めることができる可能性があるとしている。
また、神経成長因子を標的にした薬剤はすでに臨床試験や実際の臨床でさまざまな疾患に使用されていることから、胃がんに対しても早期の臨床応用が期待される。
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