軽度COPDでは酸素療法の効果ほぼなし

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タバコなどにより肺に慢性的な炎症が起きることで空気の出し入れが通りにくくなる「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」

症状の改善には、禁煙や薬物療法などの他に、呼吸困難のような重症の場合は酸素療法・外科療法によって不足している呼吸機能を補うケースもある。

しかし、ジョンズ・ホプキンズ大学医学校(米・ボルチモア)の肺・救急医学部の研究チームでは、軽症COPD患者には酸素療法はほとんど効果が認められないとの研究結果を報告している。

軽度~中等度COPDへの酸素療法

COPDでは、肺の気道に炎症が見られる「慢性器官支炎」と、炎症で破けた肺胞同士がくっつきあい、肺全体が膨張する「肺気腫」がある。

慢性呼吸不全にも陥る疾患で、進行して呼吸困難などで日常生活に支障をきたす場合は、一般的な治療法の1つとして、携帯用・在宅用の装置を用いての酸素投与(酸素療法)が行われる。

しかし、酸素療法では重度の低酸素血症がある患者では余命を延ばす効果が確認されているものの、軽度~中等度の患者への効果はこれまで確認されていなかった。

「生活の質(QOL)」、「入院予防」、「余命延長」いずれも有効性なし

今回研究チームでは、持続的または労作時に中等度の血中酸素濃度低下がみられる、軽度のCOPD患者(738人)を対象にして、「酸素療法を行う」グループと「酸素療法を行わない」グループにランダムに分け、その後6年間での「生活の質(QOL)」、「入院予防」、「余命延長」への有効性を調べた結果、いずれのにおいても有効性は認められなかったという。

この結果について、同研究チームでは酸素濃度低下による有害な影響は、特定の閾値を超えた場合にのみ生じる可能性があるのではないかと推測するに留めている。

症状に合わせた治療の選択が重要

さらに、酸素療法の注意点として、装置につまずくことでの転倒危険、燃焼促進による火災を指摘した。今回の試験では、患者2人が装置につまずき入院、5人が火災・火傷により負傷している。

COPDの治療法には、薬物治療や肺リハビリテーションプログラムなどがあるため、医師に相談して、COPDの進行具合によって最適な予防や治療を行っていくことが薦められるようだ。

酸素療法については、重度の酸素欠乏には有効であるものの、中等度の患者では運動誘発性低酸素血症がある場合に限って症状の改善の可能性が見込めるとしている。

公開日 :2017.01.13 更新日 :2021.10.06

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