B型肝炎の予防ワクチンが定期接種へ

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10月1日から0歳児に対するB型肝炎の予防ワクチンの定期接種が加わることになった。ワクチン接種は原則無料だ。 これまでの国のワクチン定期接種は、インフルエンザや肺炎、麻疹などの7つだ。さらに日本小児科学会がおたふくかぜなどの3ワクチンを推奨している。 厚生労働省では、B型肝炎の予防ワクチンの定期接種は生後2ヶ月目と3ヶ月目、7~8ヶ月目の3回が標準的としており、将来、肝硬変や肝がんなどの肝臓の疾患を発症するのを防ぐ狙いがある。

HBV感染のキャリア化とB型肝炎

B型肝炎は肝臓の疾患で、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染が原因となって起こる。 HBV感染は一過性で終わるものと、キャリア化(持続感染状態だが発症はしていない状態)するものがあり、キャリア化すると永続的に治療が必要になる。 また感染後に慢性肝炎を発症すると、肝硬変や肝がんなど重篤な疾患を引き起こすケースもあるため、その予防が重要になっている。 HBV感染者は国内に130万~150万人いると推定されており、そのうち10~15%は肝硬変や肝がんを発症するとされている。 HBVは血液や体液との濃厚接触により感染するため、出産時の母子感染(垂直感染)に加え、歯ブラシの共用や怪我の傷口などからの水平感染がある。HBVはだれでも感染の可能性があり、3歳未満の乳幼児は、感染後にキャリア化しやすいことが分かっている。

公費負担による原則無料の定期接種に

そのため出産後すぐからの感染前のワクチン接種が勧奨されるが、これまでは任意接種(計3回接種)で1回につき4千~7千円の費用がかかっていた。 製薬会社のMSD株式会社(東京都千代田区、ヤニー・ウェストハイゼン社長)が今年8月に実施したインターネット調査では、1~4歳の子どものうちB型肝炎ワクチンを接種していたのは半数だ。 しかし、今後は定期接種となり自治体などの公費負担のため、原則は無料で受けられる。厚生労働省によると、乳幼児向けの定期接種では、ワクチン接種率はほぼ90%を超えており、接種率向上が期待される。 定期接種の対象になるのは今年4月以降に生まれた乳児。(期間は1歳になる迄) すでに1回目や2回目の接種を任意接種で終えている場合は、残りの回数分の接種費用が公費負担になる。また、1歳を超えるとそれ以降は自己負担による接種を受けることになる。

重症化は3歳までのHBV感染がほとんど、ワクチン接種の必要性が高まる

肝硬変や肝がんというと成人の病気と思われるが、実際には3歳までにHBV感染した患者がその後発症するケースがほとんどであるため、注意が必要だ。世界保健機関(WHO)でも乳児へのB型肝炎ワクチン接種を推奨している。 国内では0歳児でも保育園に通うケースが増えていることなどでワクチン導入の必要性を求める声も強まっていた。 例年のインフルエンザなどの流行も考慮するとスケジュール通りに医療機関でワクチンが打てるとも限らないので、まずは早期の接種を心掛けたい。

公開日 :2016.12.21 更新日 :2021.10.06

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