横浜市内の病院で患者中毒死、点滴に「界面活性剤」が混入

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今年9月20日に入院患者の男性(88)が中毒死した大口病院(横浜市神奈川区)だが、男性患者の点滴に何者かが異物を混入したことにより殺害された事件であることが分かっている。

神奈川県警の調査によると、男性患者の点滴袋には「界面活性剤」が混入されていたことが死因になったことが明らかになった。

また、同県警では点滴袋に破れなどの目立った破損はなく、注射器などで何者かが故意に混入したと推測している。さらに別の男性患者(88)も同様に点滴に界面活性剤が混入され、同月18日に死亡していたことが分かっている。

横浜市に立て続けに同病院関連のメール

横浜市の医療安全課には、男性患者が死亡した20日当日の正午前に「点滴に漂白剤らしきものが混入される事件が起きた」という内容のメールが送られてきていたという。同課によると、事件当日にメールを受信したものの患者が死亡したなどの認識はなく、その文面から警察への通報が行われるものと判断し、病院への問い合わせなどは行わなかったとしている。

同市では大口病院に関するメールを今年7・8月にも立て続けに受信しており、7月5日に「(同病院で)看護師のエプロンが切り裂かれたり、患者のカルテが紛失した」というメールを受信、8月12日に「病棟で漂白剤らしきものが飲み物に混入され、(それを飲んだ)看護師の唇がただれた」とのメールをそれぞれ受信したとしている。

そのため、同市では9月2日には大口病院を対象にして医療法に基づく定期検査を実施し、実際にあたりそれらのメールの内容とも合致するトラブルがあったことが確認されたため、再発防止を求めて口頭注意をしていた。

点滴袋に消毒液の「ヂアミトール」が混入

しかし、定期検査以降も同病院での事件は続くことになり、今回の男性患者2人が中毒死した事件が起きている。どちらの男性患者の点滴袋にも「界面活性剤」が混入されている。

この「界面活性剤」は、洗剤やせっけん・消毒液のほか、医薬品など市販商品にも広く使用されるもので、毒性があるため体内に取り込むなど使用法を誤れば危険を伴うものだ。しかし、柔軟剤やヘアリンスにも含まれるもので、調理器具や入れ歯の消毒目的などでも購入されるケースも多い。

男性患者の点滴袋に混入されたのは、病院4階のナースステーションにある保管用の点滴袋の側に置かれていた消毒液「ヂアミトール」であったことも分かっている。 「ヂアミトール」は医療用器具や手術時の皮膚の殺菌などほか、手の消毒にも使われる一般的な消毒液として医療機関で広く使われるものだ。そのため劇薬指定ではなく、一般購入も可能な医薬品。この「ヂアミトール」には界面活性剤が含まれる

同病院のナースステーション内では、この「ヂアミトール」が保管されていた棚には鍵は付いておらず、誰でも持ち出せる状態だったという。

ナースステーション内の点滴袋に針で指した穴も

「ヂアミトール」に関する医療事故では、過去には濃度の濃い「ヂアミトール」が薄められずに手術に使われたことが原因で、患者が顔などにやけどをする事故などが起きている。

今回、神奈川県警では同病院から「ヂアミトール」の空になったボトル3本を押収し、男性患者の中毒死の原因となった界面活性剤がこのいずれかから点滴に混入された疑いもあるとして捜査している。

また、これまでに同ナースステーションで保管されていた未使用分の点滴袋50個のうち10個程度には針で刺したような小さな穴が開いていたことが分かっている。

公開日 :2016.11.14 更新日 :2021.10.06

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