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インターネット用語としてよく使われるキーワードの1つに「タグ(=tag)」という言葉がある。荷札や付箋といった意味を持つ単語だが、これは付加情報(周辺情報)につける目印だ。また、付加情報にタグをつける作業は「タグ付け」とも言われる。
ヒトの脳内でも、「タグ付け」は出来事の記憶のために行われており、ある中心的な出来事の体験によって、その前後に起きたちょっとした出来事に「タグ付け」が行われ、中心的な出来事と一緒に「長期記憶」として保存されるメカニズムが判明した。
富山大学では井ノ口馨氏(同大大学院医学薬学研究部(医学)生化学講座)、野本真順氏(医学薬学研究部(医学)助教)、加藤総夫氏(東京慈恵会医科大学痛み脳科学センター教授)らによる共同研究グループが新たな発見をしたとして7月28日付けで発表しており、脳内のタグ付けの際に出来上がる「行動タグ」を紹介している。
また、同研究成果は、8月1日付けの「Nature Communications」(電子速報版)にも掲載されている。
ヒトの「体験」する行為は、脳内で神経細胞の活発化を促し、記憶として保存されるが、これは「エピソード記憶」と言われる長期記憶の1つで、個人的なエピソードの時間や場所、感情などは比較的長い期間記憶される。
因みに長期記憶には、このエピソード記憶以外にも、言葉・知識などの「意味記憶」、自動車の運転や楽器の演奏などの「手続き記憶」などがある。
一方で、今回の研究グループでは、普通なら長期記憶には残らずにすぐに忘れるような「ちょっとした出来事」でも、何らかのとても強い体験の前後に起こることで長期記憶として保存されるメカニズムをマウス実験で確認したという。
研究グループでは、この現象を「行動タグ」と呼んでいる。これまでの記憶における研究は、ある1つの記憶の形成・保持に関するメカニズムの解明が行われてきたが、このささいな出来事の記憶(行動タグ)が出来上がるメカニズムは分かっていなかった。
そこで同研究グループは、マウス実験により、「ちょっとした出来事」と「とても強い体験」のそれぞれの体験・出来事から行動タグが出来上がっていくメカニズムを調べた。
その結果、それらの体験・出来事によって脳内の記憶痕跡(記憶エングラム)が広くなっていたことを突き止めた。
また、「とても強い体験」の記憶痕跡を人為的に抑制することで、それまで行動タグが出来上がっていた「ちょっとした出来事」をマウスは思い出せず、脳内の記憶痕跡が重複した場合に限ってのみ、行動タグが成立することを示したという。
ヒトは脳内に蓄えた複数の記憶情報を関連付けすることで知識や概念などを形成していくと考えられるため、全く異なる記憶が相互作用することで同時に脳内に長期記憶として保存されるという今回の行動タグ研究は、ヒトの高次脳機能を垣間見るものだ。
また、関連性の弱い記憶同士が結びつくことは、トラウマ記憶とニュートラルな記憶が結びつく心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患にも関わりがあると推定される。そのため今回の研究成果は、今後PTSD疾患などの治療法の開発につながることが期待される。
具体的には、トラウマ記憶の記憶痕跡を意図的に抑制することで、トラウマ記憶と一緒に長期記憶として保存される「行動タグ」になってしまった日常のちょっとした出来事の記憶を引き離すなどによる治療が行えそうだ。
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