慢性疲労症候群の患者への支援普及へ関西セミナー開催

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ある日から突然、原因も分からずに日常生活ができないほどの倦怠感に苦しみ始める病気に「慢性疲労症候群(CFS)」がある。
そのCFS患者を支援する団体である「CFS支援ネットワーク」(青森県青森市、石川真紀代表)が12月13日、大阪市内で市民公開セミナーを開いた。
CFSは重症患者になると寝たきりの状態や最悪死に至るケースもあるが、医療従事者でも認知度が低く、十分な医療環境が整っておらず、公的な支援も受けられていない現状があり、同セミナーでは医療体制の充実や公的支援を求める声が上がった。

慢性疲労症候群(CFS)

慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)は、これまで健康に生活していた人が突然原因不明の激しい全身倦怠感に襲われ、それ以降強い疲労感を伴う発熱、頭痛、脱力感、思考力の障害、抑うつ等の精神神経症状などが6カ月以上の長期にわたって続いたり、再発するなどが起こる病気。
国内には推定30万人の患者がいるとされる。 慢性疲労の原因は不明で、十分な休息を取っても回復せず、普段の仕事や生活習慣などが原因でもないとされる一方で、発症すると寝たきりになったり、最悪の場合は死に至るケースもある。
患者数が15万人以上を超えていることと社会復帰出来るまでに回復することもあることから、難病(特定疾患)の指定対象の中には入っていないが、治療法が確立しておらず、患者やその家族にとっては経済的にも精神的にも負担の大きい病気の一つだ。
国外においてもCFS症例の存在は報告されており、その病因・病態の解明や診断、治療法の開発がグローバル規模で進められている。

診察可能な病院は少なく、青森から大阪へ電動車いすで通院

今回、同セミナーを主催した「CFS支援ネットワーク」は2014年11月に発足されており、医師や行政、医療ソーシャルワーカー、社会保険労務士、相談員の他、患者本人らが集まって活動をスタートさせた。
同会の石川真紀代表(43)自身も6年前にCFSを発症した患者だ。 現在でも治療のために自宅のある青森から大阪へ電動車いすで通院している。
CFSが診療可能な病院は少なく、各地域の拠点病院でさえも治療を受けられない
専門医や診断・治療をする医療機関が少なく、難病指定による公的支援の対象にも入っていないなどでなかなか病気のことが理解されないなかで、同会ではこれまでに青森県や秋田県を中心にCFS患者を支援する環境づくりの普及を訴えてきた。
今回関西では初のセミナーとなり、兵庫県、大阪府などから患者や家族ら50人以上が出席した。

重症者への公的支援を呼びかけ、認知行動療法の活用事例も

同セミナーの中で倉恒弘彦氏(厚生労働省CFS研究班代表、関西福祉科学大教授)がCFS患者の事例を紹介し、「改善している人もいるが、重症化して回復のめどが立たない人も4人に1人程度いる。 重症者には公的な支援が必要」と話した。 このほか、臨床心理士の藤江里衣子氏(名古屋大助教授)による認知行動療法が紹介されるなどがあり、患者や家族らから質問が相次いだ。
同会では同セミナーの様子をWEB公開セミナーとしてホームページ上で公開している他、診断基準などのCFSに関する様々な情報も発信している。
CFS支援ネットワークWEB公開セミナーはこちら 公開セミナー/慢性疲労症候群のための認知行動療法/

公開日 :2016.03.07 更新日 :2021.10.06

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