企業でのマタハラ、国が初の実態調査
公開日：
最終更新日：
妊娠・出産を理由に職場で不当な扱いを受ける「マタニティーハラスメント(マタハラ)」について、厚生労働省では女性を対象とした初の実態調査を行った。
(業務委託先は労働政策研究・研修機構(JILPT)、調査期間:9～10月、回答人数:約3,500人、対象年齢:25～44歳で就業経験のある女性)
その結果、妊娠・出産の経験を持っており、派遣社員として働いている女性の約半数(48%)が「マタハラを経験したことがある」と回答した。
妊娠・出産の経験を持っており、正社員として働く女性で同様の回答をしたのは21%、契約社員として働く女性では13%、パートタイマーとして働く女性では5%だった。
派遣社員で割合が高く
今回の調査結果で、マタハラ経験の割合が高かったのが人材派遣会社から企業に派遣されて就業する「派遣社員」の女性だ。
「マタハラを経験したことがある」と回答した女性の27%が妊娠を理由とした「契約打ち切り」を経験しており、「(妊娠を理由とした)契約期間の短縮」や「育休が取れない」などのマタハラ被害を経験していた女性もいた。
マタハラを経験した女性にどのような内容かを尋ねると、上司などから「迷惑だ」「辞めたら」といった嫌がらせの発言を受けたという派遣社員が約3割(32%)(全体では約半数(47%))と最も多かった。
「職場のいじめ、嫌がらせ発言」・「解雇」、深刻な実態が浮き彫りに
また全体では、「解雇された」ケースが20%、「退職強要や非正規雇用への転換を強要された」ケースが15%、「減給された」ケースが12%(複数回答)に上っており、5人に1人は不当な解雇をされていることが明らかになり、深刻なマタハラ被害の実態が浮き彫りとなった。
マタハラを受けた相手を尋ねると、「直属の男性上司」が最も多く19%、「直属の女性上司」11%。
「同僚、部下の男性」では5%、「同僚、部下の女性」では9%となった。同僚・部下からのマタハラでは女性から受ける割合が高くなっている。
10月15日に発表された派遣の求人・転職サイトを運営するディップ株式会社(東京都港区、冨田英揮社長)と女性向けクラウドソーシングサービスを手掛ける株式会社STRIDE(東京都渋谷区、石田裕子社長)による合同調査(対象:両社の各サービスユーザー女性、計800名)では、マタハラを「いじめ型」・「パワハラ型」・「追い出し型」・「価値観押しつけ型」の4つにタイプ分けしており、自身や周囲でのマタハラについて、未婚女性では「こっちの仕事が増えて迷惑」、「休めていいよね」などの「いじめ型」が37%、既婚女性では「妊婦を雇う余裕はない」、「周りの人に迷惑だ」などの「追い出し型」が37%でそれぞれ最多となっている。
法改正も検討へ
男女雇用機会均等法では、事業主に対して、労働者の妊娠・出産を理由に不利益をもたらす取り扱いを禁じている。
是正指導や勧告に従わない場合、最終的に対象企業名の公表も行える。
最高裁では昨年10月、病院勤務の理学療法士が妊娠を理由に降格されたことに対して男女雇用機会均等法に違反するとして病院を訴えた裁判の判決で、「妊娠による降格は原則禁止、女性の自由意思での同意や業務上の必要性などの特殊事情がなければ違法で無効」との判断を示した。
厚生労働省でも今年8月に、妊娠を理由に看護助手を解雇したクリニックの名前を公表するなど指導を強化している。
(看護師コラム :妊娠を理由に看護助手を解雇したクリニックの名前を公表も参照)
厚労省では非正規の女性が育児休業を取れるよう育児・介護休業法の改正や、企業のマタハラ防止策を強化するため男女雇用機会均等法の改正も検討しており、今回の調査結果を反映させていきたいとしている。
看護師の新着求人情報
-
《日勤のみ・週休2.5日・無料駐車場》東大和市のクリニック
医療法人社団碧桐会 メディカルボックス東大和
月給
300,000円～
･･･
東京都東大和市
クリニックにおける看護師業務 -
-
《産休代替派遣求人・認知症看護の認定資格をお持ちの方を募集》･･･
求人名非公開 ※詳細はお問い合わせ下さい
時給
2,400円～
･･･神奈川県川崎市病院内での正看護師業務／産休代替／日勤のみ
我々は「入職後の活躍」を見据えて、組織にフィットする方々をご紹介しています。
コメディカルのマッチングでは、10年以上の実績がございます。積み上げたノウハウを活かして、採用をサポートいたします。
