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多量飲酒などのアルコール依存症の患者は、様々な健康問題や社会問題を招いており、健康を害するものだけでも関連する病気や外傷は60を超えていると言う。
アルコール依存症の発症リスクの50~60%は遺伝要因ともされているが、遺伝子学的に多種多様なため、メカニズムは解明されていない。
国内においては、断酒維持や飲酒欲求を減らす「抗酒薬」による治療が一般的だが、飲酒欲求に直接作用する新しい治療薬の開発へのニーズも大きい。
2013年5月には中枢神経系に作用して飲酒欲求を低減させる治療薬が日本で初めて使用可能となった。
スウェーデンの研究チームでは脳内のドーパミン(中枢神経系に存在する神経伝達物質)の数値の水準を正常化する治療薬によって、アルコール依存症患者の飲酒渇望を軽減できると発表している。
ドーパミンが脳内の伝達物質であることを発見し、2000年にノーベル医学・生理学賞を共同受賞したスウェーデン・エーテボリ大学付属サルグレンスカ・アカデミーの名誉教授アルビド・カールソン博士が共同執筆しており、医学専門誌「European Neuropsychopharmacology(欧州神経精神薬理学)」に10月14日に掲載された。
アルコール依存症が多量飲酒によることは明らかになっているが、同じ量の飲酒でも依存症状が出る人と出ない人がいて、遺伝要因と環境要因の2つの要因から発症に至るとされる。
厚労省が2003年に実施した成人の飲酒実態調査によると、飲酒日にアルコール60g以上を飲酒していた多量飲酒の人は860万人、その内アルコール依存症の疑いのある人は440万人、さらに治療の必要なアルコール依存症の患者は80万人いると推計されている。
今回、同研究グループでは、飲酒日にワイン1本に相当するアルコール(70~80g)を飲むスウェーデンのアルコール依存症の男女56人を対象として、少なくとも4日間の禁酒後にランダム化によって患者の半数にドーパミン値の水準が安定する効果があるとされる医薬品「OSU6162」を2週間服用させた。(残り半数の患者にはプラセボ(偽薬)を同期間に服用し、すべての患者はその期間内での飲酒を制限されていなかった。)
実験の終了日に、お気に入りのグラス一杯の酒を飲んだ結果、「OSU6162」を服用していた患者らはプラセボを服用していた患者らに比べて最初の一口がうまいとは感じず、飲み終わった後のアルコールに対する欲求も強くなかった。
さらに普段では欲求を最も制御できない患者に「OSU6162」は最も良く作用した。
統合失調症の治療薬では、ドーパミンを減らすことによって吐き気など厄介な副作用が見られるが、今回の実験では患者への副作用はほとんどなかった。
また、過去の研究によってアルコール依存はドーパミンを標的にすることで治療できるという考え方の概念実証(POC)を行えたとし、それを実証するための本格的な試験を実施する必要があるとしていたスウェーデン・カロリンスカ研究所のピア・スティーンスランド博士(神経科学)による新たな研究では、1年近くにわたって自発的にアルコールを摂取していたラットのドーパミン値がアルコールを一切摂取しなかったラットより低いことが分かった。
このアルコールを摂取していたラットに「OSU6162」を投与したところ、ドーパミンの値は平常値に戻ったことが示されている。同じく14日の医学誌「Addiction Biology」に掲載された。
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