アトピー性皮膚炎はスキンケアや認知療法を大切に

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アレルギー体質や皮膚の過敏などで痒みのある湿疹が発症するアトピー性皮膚炎。 痒みによる心身ストレスによって満足な睡眠がとれないなど患者のQOLを損なう。 米シカゴのノースウェスタン大学のJonathan Silverberg氏らの研究では、アトピー性皮膚炎は患者のあらゆる生活の局面に影響を与えており、特に心臓や血管の健康を悪化させる可能性があるという。
今年1月8日付けのJournal of Allergy and Clinical Immunology(電子版)に論文が掲載された。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は乳幼児期に発症し始めることが多いが、成人期まで続くこともあり、成人になってから始まる人もいる。
ハウスダストや花粉、食物アレルギーなどの原因物質で発症し、悪化の原因として、痒みによるストレスなどの精神的要因や食習慣の偏りなどがあげられる。
症状や経過には個人差が大きく、近年、日本国内も含めて世界的に増加傾向にある一方で、現在の治療は対症療法のみで、日本皮膚科学会では治療ガイドラインを作成し、その目標をQOLの良好な維持としている。

アトピー性皮膚炎と喫煙・飲酒、運動

アメリカの2010年および2012年のNHIS(国民健康インタビュー調査)に参加した18~85歳の6万人以上のデータを解析した結果、アトピー性皮膚炎の成人患者は、喫煙率や飲酒習慣のある率が高く、喫煙や飲酒をしているアトピー性皮膚炎の患者は非患者に比べて肥満率が高く、運動しない傾向も強いことが分かった。
さらにアトピー性皮膚炎による慢性的な炎症が影響で心血管疾患のリスクを上昇させるデータも示された。
乳幼児期に発症することで、幼少期からの精神的なストレスが自尊心やアイデンティティの確立、生活習慣の形成などにも影響を及ぼすこともある。
スウェーデンのカロリンスカ環境医学研究所での研究では、アトピー性皮膚炎を発症している思春期前(9~12歳)の女児は「主観的な健康感」が損なわれていたことが分かった。 運動することによる体温の上昇や発汗が痒みを悪化させることで運動することも困難になる。
その他の結果として、アトピー性皮膚炎患者は非患者に比べ、重度肥満である率が54%、高血圧の有病率が48%、脂質異常症の有病率が約30%それぞれ高かった。 睡眠障害、あるいは糖尿病前症や糖尿病との有意な関連も認められた。

対症療法としてのスキンケアや認知療法など

研究グループではアトピー性皮膚炎患者の喫煙や飲酒、肥満といった生活習慣上の悪習慣は変えられるとして、他の病気を誘発するリスクを減らすためにも生活習慣の改善に取り組むことの重要性を訴えた。
また日頃のケアとして皮膚に刺激を与えないスキンケアやものの考え方や受け取り方をコントロールして気持ちを楽にさせる認知療法を行うことで、症状の繰り返しや誘発される疾患の発症を抑えていくことが不可欠になってくる。

公開日 :2015.04.24 更新日 :2021.10.06

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