臨床検査技師への転職を考えている方にとって、最初の難となるのが「履歴書」。そこで今回は、臨床検査技師の面接に挑むための履歴書の書き方をご紹介します。気になる志望動機や自己PR例、先方に送るときのマナーなども徹底解説していくので、是非最後までご覧ください。
臨床検査技師の履歴書を書く前に知っておきたい注意点
□手書き指定か必ず確認する
□日数に余裕をもって作成する
□筆記具は黒か青のボールペンを使用する
□修正液は使用しない
□年表記は統一する
□空欄をつくらない
まず、提出する履歴書に手書きの指定があるかを確認しましょう。指定がない場合はパソコンで作成しても問題ありませんが、少なくとも名前は手書きにしておくと安心でしょう。
手書きの場合、消えてしまう恐れのある鉛筆・フリクションの使用はNGです。提出の前には必ず最終確認し、もし誤字脱字があれば修正液は使用せず、最初から書き直しましょう。書き直しが発生することも考え、締め切りに余裕をもって書きはじめることをおすすめします。
西暦か和暦かの統一など、基本的なことを怠らずにできているかで、臨床検査技師としての正確性を判断されます。書く事がない欄でも空欄は避け、「特になし」と記載することで丁寧さをアピールできるでしょう。
臨床検査技師の履歴書の基本の書き方
せっかく経験やスキル、熱い思いを持って応募していても、履歴書の仕上がりが不十分だと合否に影響します。ご紹介する履歴書の基本の記入法を押さえておきましょう。
■写真・記入日
写真は直近3ヶ月以内に撮影した、スーツ着用のものを使用しましょう。第一印象を左右する重要なポイントなので、清潔感のある髪型・メイクや表情を研究しておくと効果的です。パソコンで履歴書を作成する場合は、印刷後に写真を添付します。
記入日は書き漏れやすいので注意しましょう。郵送であればポストに投函する日、手渡しであれば実際に提出する日を記入します。職務経歴書など他の書類も同封する場合は、必ず記入日を揃えましょう。
■個人情報
名前は姓と名の間にスペースを開け、各漢字の上に対応するようにふりがなを書きます。名前の横には、忘れずに捺印をしましょう。認印やシャチハタでも構いません。年齢は記入日と対応させて、書類送付時点のものを記入します。
また住所は、都道府県からアパート名まで略さずに記入するのがマナーです。
メールアドレスのアルファベットや数字は履歴書の中でも読み間違いが発生しやすい箇所。手書きの場合は特に見やすさを意識して、似たような文字の違いが分かるように丁寧に書きましょう。
■学歴
転職の履歴書では高校卒業から書くのが一般的です。学校名は略さず、「○○県立△△高等学校」と正式名称を書きます。専門学校や大学、大学院の場合は、学部・学科・専攻まで詳細に記載しましょう。編入した場合は「〇〇大学 編入」とすれば問題ありません。この際も専攻まで正確に書きましょう。
■職歴
時系列順で書いていきます。会社名は略さず正式名称を記載しましょう。(株)(医)も避け、「株式会社」、「医療法人」を使用します。
また、病院などの医療機関の場合は「入職」「退職」を、一般企業の場合は「入社」「退社」と書きましょう。自己都合による退職の場合、理由はすべて「一身上の都合により退職(退社)」で統一します。
■免許・資格
取得した順に、正式名称で記載します。「臨床検査技師」の資格は登録番号を併記するとなおよいでしょう。臨床検査に関わる資格は必ず記入する必要がありますが、特に仕事に関わらない資格に関しては基本的に記入不要です。
ただし、自動車免許、パソコンスキル、語学スキルなどはアピールポイントになるので記入したほうがよいでしょう。
■通勤時間・扶養家族・本人希望欄
通勤時間は5分単位で記載します。1時間未満の場合も、書き漏れでないことを示すため、「約0時間40分」のように時間部分に「0」と記入しましょう。
また、「配偶者」や「扶養義務」などの選択式記入欄は特に記入漏れに注意が必要です。
本人希望欄は原則、「貴院(貴社)規定に従います」と書きます。勤務条件に関する希望は履歴書には書かず、面接時に口頭ですり合わせましょう。
臨床検査技師の履歴書での志望動機の書き方
志望動機は、履歴書の中で自分と応募先の結びつきをアピールできる唯一の部分です。文字数は少なすぎても多すぎても逆効果なので、履歴書のスペースに合わせて、読みやすい文字の大きさを保てる文字数で簡潔に書きましょう。
志望動機や自己PR、得意科目をひとつの欄に書くフォーマットの場合は、志望動機を中心に、特技やアピールポイントを肉付けするとよいでしょう。
■志望動機の基本構成
・なぜ(他の法人ではなく)応募先が良いのか
・職場でどのように貢献したいのか
・職場で今後どのように成長したいのか
採用担当は、応募者が「この職場を正しく理解しているか」「職場でどのように働こうとしているのか」「長期的に働いてくれるのか」を知りたがっています。上記3つを構成に入れることで、採用担当が知りたがっている点を網羅できるでしょう。
面接でも質問されることが多いポイントなので、面接での受け答えと履歴書に記載した内容に矛盾が生じないよう、深堀りしてから書きましょう。
■志望動機を書くときの注意点
・あいまいな表現は使わない
・条件による動機を中心に据えない
・後ろ向きな動機は避ける
「○○という話を聞いた」「○○だと思った」などのあいまいな表現は説得力を下げる恐れがあります。できるだけ避け、言い切りの形を使用しましょう。
また、勤務地や給与などの条件を志望動機の中心にしてしまうと、さらに良い条件が見つかればまた転職してしまうのではというマイナスのイメージを与えかねません。前職の否定を含むネガティブな動機なども避け、ポジティブで応募先でしか実現できない志望動機を作成できると好印象です。
■志望動機例文集
臨床検査技師の志望動機の記入例をご紹介します。そのまま使うのではなく、自分の背景に落とし込み、より説得力のある志望動機を作るための参考にご覧ください。
志望動機例1
予防医療専門の貴施設でなら、臨床検査技師として病気の早期発見の一端を担えると思い、志望いたしました。現職では超音波検査を担当しており、日々、業務の中で病気の早期発見と治療が大きな意味を持つことを実感しています。経験を活かしつつ、さらなるスキルを磨き、ひとりでも多くの患者様に対して、早期治療への橋渡しをしたいと考えています。よろしくお願いいたします。
志望動機例2
心電図やエコー検査の経験を活かせると思い、志望いたしました。前職では、幅広い年齢の患者様の、生理機能検査や一部検体検査、採血などの業務に従事していたので、心電図やエコー検査の経験はもちろんのこと、さまざまの年代の患者様とのコミュニケーション経験もあります。貴院は地域柄、高齢な患者様の来院が多いということで、現職で培った、高齢な患者様に対するコミュニケーション力も発揮できると考えています。地域のみなさまに愛される貴院で、より高い技術で安心感を与えられる臨床検査技師を目指し精進したいです。
臨床検査技師の履歴書での自己PRの書き方
自己PRは、履歴書の中で最も自分の人となりをアピールできる部分です。効果的な自己PRを記載して、応募先に存分に魅力をアピールしましょう。内容だけでなく、書き方や文章の構造によっても相手の受ける印象は変化します。自己分析を繰り返し、戦略的な自己PRを作りましょう。
■自己PRの基本構成
・仕事につながる長所や趣味、得意科目
・長所が前職でどのように活きてきたか
・長所が応募先でどのように貢献できるか
まずは自分の長所や得意科目、趣味を書きだし、その中で応募先の仕事と関連が作れそうなものを選んで膨らませるとよいでしょう。前職での具体的な経験に関するエピソードは、長所に説得力を与えるので必ず組み込みます。
また、その長所がどのように応募先での勤務の中で活きるのか、イメージしやすい言葉で加えてあげるとより効果的でしょう。
■自己PRを書くときの注意点
・事実と矛盾のある自己PRは避ける
・志望動機と一貫している自己PRを書く
・応募先の状況にふさわしい自己PRを書く
事実の裏付けがない・事実に反する自己PRは、説得力がないだけでなく、履歴書上のほかの内容の信ぴょう性も失わせます。職歴や所有資格の項目との整合性が取れているか確認しながら作りましょう。
また、志望動機との間に一貫性を持たせることで、応募先にふさわしいことをよりアピールできる自己PRになります。無理によせる必要はありませんが、応募先が求めている人物像や雰囲気、勤務状況も事前に下調べしておくとよいでしょう。
■自己PR例文集
臨床検査技師の自己PR例をご紹介します。紹介した例文を参考に、応募先に最大限、魅力を伝えられるような自己PRを考えていきましょう。
自己PR例1
私は新しい知識を学び活かすことに意欲的です。現職では血液検査を担当する中で、さらに知識を深めたいという思いが強くなり、「認定血液検査技師」を取得しました。この学びへの意欲を活かし、貴院では未経験の部門においても迅速に知識を吸収し、貢献したいと考えております。また、血液検査部門では、これまでの経験を活かし、新人職員の方や未経験の方のサポートを積極的に行っていきたいです。
自己PR例2
私は人と話すことを楽しめる性格です。現職では子どもから高齢な方まで、幅広い年代の患者様と接してまいりました。プライベートでは関わらないような年代の方も多くいらっしゃいましたが、人と人としてのコミュニケーションを心がけ、ひとりひとりとの会話を楽しみながら行ううちに、通院されている数名の患者様からあだ名で呼んでいただけるようになりました。貴院での業務の中でも、職員のみなさん、患者様とのコミュニケーションを丁寧に行い、信頼と親しみを感じてもらえるよう精進したいと考えております。
臨床検査技師の履歴書を送るとき・渡すときのマナー
最低限守っておきたい履歴書を送る際、渡す際のマナーをご紹介します。履歴書の内容ほど合否に直結する部分ではありませんが、社会人として応募先によい印象を持ってもらえるようご紹介するポイントを押さえておきましょう。
■郵送の場合
茶封筒は避け、白封筒を使用しましょう。
住所は宛先・差出人ともに、都道府県名からアパート名まで省略せずに記載してください。応募先の病院名や法人名も略さず、正式名称で記入します。採用担当者の名前が分かる場合は敬称として「様」を、部署宛に送る場合は「御中」を使用しましょう。
封筒の左下には、赤字で「応募書類在中」と記載して四角で囲み、一目で中身が分かるようにします。
切手は、金額不足にならないよう貼るのはもちろんのこと、複数枚になる場合は寄せ集めを使用していると思われないよう、できるだけ少ない枚数を組み合わせることが大切です。
■手渡しの場合
郵送時と同じく、茶封筒ではなく白封筒を使用します。
面接時に渡す場合は、すぐに確認できるよう、封はしないのがマナーです。面接官に直接渡す場合は、封筒から出し、相手が読みやすい向きにして手渡しましょう。
長時間持ち歩く際は、封筒に汚れが付いたり折れたりしないよう、クリアファイルに入れておくと安心です。受付等で渡す場合は、履歴書を封筒から出すかどうか確認し、指示に従います。
臨床検査技師の履歴書は基本情報から志望動機まで丁寧に書こう!
臨床検査技師の履歴書の記入方法や注意点についてご紹介しました。
今後もその需要が高まっていく傾向が見られる臨床検査技師。ご紹介した内容をもとに、丁寧な履歴書を作成し、転職への第一歩を踏み出しましょう。
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