ダイズに含まれる健康機能成分「ダイゼイン」生成の仕組み

公開日:
最終更新日:

マメ科植物の「ダイズ」は、豆腐や味噌、納豆などの食品として加工され、和食の中心的な食材でもある。

ダイズの健康機能成分として知られるのが、「イソフラボン」で、この「イソフラボン」は「エストロゲン(女性ホルモンとも呼ばれる)」と似た化学構造や働きがあることがわかり、その健康効果が注目を浴びている。

「イソフラボン」の一種の化合物として、「ダイゼイン」が挙げられる。

東北大学は8月24日、中山亨氏(同大大学院工学研究科教授ら(バイオ工学専攻応用生命化学講座))と、河合洋介氏(東京大学大学院医学系研究科助教)らとの研究グループによって、ダイズ細胞内で、「カルコン還元酵素」(「ダイゼイン」の生成の鍵酵素)の特定のアイソザイムが代謝的に関連の深い他の酵素と複合体を形成していることを発見したことを発表した。

同研究成果は、専門誌「ザ プラント ジャーナル」(電子版)に掲載された。

ダイゼイン生成の鍵酵素「CHR」

「ダイゼイン」の生成においては、「カルコン還元酵素(CHR)」が鍵酵素である。従来では、4つのアイソザイム(CHR1~CHR4)の存在が知られていた。

今回同研究グループが、あらためてダイズのゲノム配列を検索したところ、これまで未同定だったCHRアイソザイムを含めると、全部で11個のCHRアイソザイムの存在を確認。

また、これらのうち、3つのアイソザイム(CHR1、CHR5、CHR6)が明確なCHR活性を示し、中でもCHR5の遺伝子発現は、ダイズ植物体におけるダイゼインの蓄積パターンと最も良い相関を示したという。

「CHR5」がイソフラボン生成の鍵となる反応を司るIFSと結合

次に、同研究グループは、酵素活性を示した3つのCHRアイソザイムについて、「イソフラボンの生合成に関わる他の酵素との結合があるか」を様々な方法で調査。

調査結果からは、「CHR5のみ」がイソフラボン生成の鍵となる反応を司る膜結合型酵素イソフラボン合成酵素(IFS)と結合できることが明らかになったという。

酵素間の「結合のネットワーク」の存在を提示

同研究グループは、2016年に、カルコン合成酵素(CHS)とIFSが結合できることなどを明らかにしていた。

今回の研究結果も総合することで、酵素間の「結合のネットワーク」の存在を提示し、推定される酵素複合体を「イソフラボノイドメタボロン」と呼んでいる

ダイズ細胞内において、CHSとCHRがそれぞれIFSとの結合を介して、「イソフラボノイドメタボロン」に参画する仕組みによって、両酵素の「中間体」の高効率な受け渡しが可能となり、互いに近傍にも存在できると考えられるという。

代謝工学の進展にも大きく貢献するものと注目

生体内で観察される高い代謝機能については、試験管内で調べた代謝経路を構成する個々の酵素についての反応の性質だけでは十分に説明できないケースは多く、これまで、ダイズCHRの反応もそのような例のひとつだった。

しかし、今回の研究結果を含めてメタボロン形成の発見から、その理解が進むこととなった。

また、同研究グループでは、メタボロン形成の機能的重要性が明確に示されたことが、代謝工学の進展にも大きく貢献するものとして注目されるとしている。

公開日 :2018.10.26 更新日 :2021.10.06

臨床検査技師の新着求人情報

  • 《年間休日120日・心臓エコー経験者募集》江東区の健診・外来・・・

    求人名非公開 ※詳細はお問い合わせ下さい

    年俸制 3,600,000・・・

    東京都江東区

    クリニックにおける臨床検査技師業務/日勤帯/心臓エコー

     
  • 《年間休日120日・エコー経験者募集》港区の健診・外来クリニ・・・

    求人名非公開 ※詳細はお問い合わせ下さい

    年俸制 月給:305,・・・

    東京都中央区

    外来、健診クリニックにおける臨床検査技師業務/年間休日120日/エコー

     
  • 《エコー経験者募集・年間休日120日以上》品川区の二次救急指・・・

    求人名非公開 ※詳細はお問い合わせ下さい

    月給 198,000円〜2・・・

    東京都品川区

    病院における臨床検査技師業務/エコー未経験OK/日勤帯

     

LINE公式アカウント

求人やセミナー情報を随時配信中! あなたの転職活動をサポートする担当者へ、気軽にLINEで質問や相談することが出来ます。

我々は「入職後の活躍」を見据えて、組織にフィットする方々をご紹介しています。
コメディカルのマッチングでは、10年以上の実績がございます。積み上げたノウハウを活かして、採用をサポートいたします。