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血糖値を下げる重要なホルモンとして知られるインスリン。
しかし、「飢餓状態」と「肥満状態」のヒトの身体では、インスリンが作用しにくくなることが明らかになっている。
これは、副腎皮質ホルモンや炎症性サイトカインなどといった脂肪細胞由来ではない外来性の因子が増加し、脂肪細胞に作用することで、脂肪細胞の『インスリン感受性』が低下することによるものだ。
大阪大学は4月9日、福原淳範氏(同大大学院医学系研究科寄附講座准教授(肥満脂肪病態学))らの研究グループによって、脂肪細胞が分泌する「SDF-1(Stromal derived factor-1)」が脂肪細胞のインスリンの効果を抑制し、インスリン誘導性の糖取り込みを低下させることを発見したと発表した。
同研究成果は、米科学誌「Diabetes」に公開された。
同研究グループは、先行研究で脂肪細胞が分泌する「アディポサイトカイン(生理活性物質)」が、肥満病態の形成に重要な役割を果たすことを報告していた。
しかし、この「アディポサイトカイン」が脂肪細胞自体に作用して、『インスリン感受性』を制御することはこれまで確認されていなかった。
また、「アディポサイトカイン」の1つで、脂肪細胞では最も遺伝子発現量が高いケモカイン(微量生理活性タンパク質)である「SDF-1」が、脂肪細胞への糖取り込みに対してどのように作用しているのかは解析されていなかった。
今回、同研究グループは、公開されているマイクロアレイデータセットを用いて、脂肪細胞において「飢餓状態」と「肥満状態」で発現が上昇する因子として「SDF-1」を同定。
「SDF-1」の機能を調べるために、マウスの脂肪細胞にSDF-1タンパク質を添加する実験を実施した。
実験結果から、マウスのインスリン誘導性の糖取り込みが低下。脂肪細胞の内因性「SDF-1」が、脂肪細胞のインスリン感受性を制御することが示されたとしていう。
脂肪細胞特異的SDF-1ノックアウトマウスを作成して表現型を調べた結果、同KOマウスはコントロールマウスと比較して、体重や組織重量、摂食量に差がなかった。
一方で、空腹時血糖値は差がみられなかったが、血中インスリン濃度は有意に低くなっており、インスリン負荷試験やグルコース負荷試験における血糖値が有意に低下していたという。
高脂肪食負荷による肥満状態でも同様に、同KOマウスはインスリン感受性が増強していたとしている。
同研究グループでは、今回の研究成果によって、「SDF-1」シグナルを阻害することで脂肪細胞のインスリン感受性を増強させるメカニズムを応用すること、肥満2型糖尿病の治療につながることが期待されるとしている。
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