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2017年の部位別罹患者数が国内で最も多かったのが「大腸がん」だ。近年、その罹患者数は増加傾向にある。
症状が非常に出にくいため早期発見が難しく、また、がんが進行して出血しても血が便中に混じって気付きにくいケースがある。
医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)は10月10日、朝長毅氏(医薬基盤・健康・栄養研究所プロテオームリサーチプロジェクト・創薬標的プロテオミクスプロジェクトプロジェクトリーダー)と白水崇氏(研究員)らの研究グループが、「ターゲットプロテオミクス手法」を用いて、従来の腫瘍マーカーの精度を大きく上回る新しい大腸がん早期診断バイオマーカータンパク質を発見したことを発表した。
今回の研究は、日本医療研究開発機構(AMED)次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム「早期診断マルチバイオマーカー開発」の一環で、今後は、デンカ生研株式会社と共同で、新規大腸がんバイオマーカータンパク質の測定法の開発を進め、5年後の実用化を目指すとしている。
同研究成果は、10月6日付けの「Scientific Reports」(電子版)に掲載されている。
大腸がんの早期診断・早期治療が必要な一方で、現在の大腸がんスクリーニング検査である「便潜血検査」では、出血のない早期大腸がんでは『陰性』になる可能性が高くなる。一方で、痔核・大腸炎などの良性疾患でも『陽性』になるなど、その診断精度はけっして高いとは言えず、早期大腸がんの診断には有効性が低いのが実情だ。
健診でも、便潜血陽性の場合は大腸内視鏡検査が推奨されるが、『偽陽性』の割合が非常に高くなっている。さらに、大腸内視鏡検査は検査の前処理を含めて、血液検査などの検査よりも高侵襲であることからも実際に検査を受ける人は少ない。
大腸がんの腫瘍マーカーとして臨床現場で用いられる「CEA」は、早期大腸がん患者を発見できる確率は4割弱だとされる。
そのため、大腸がんの早期発見には大腸がんの新しいバイオマーカーの開発が求められていた。
今回、同研究グループでは、大腸がんに関連する過去の文献からリストアップした新規バイオマーカー候補になりうるタンパク質を対象に、ターゲットプロテオミクス(タンパク質の大規模研究)の手法を用いて、エクソソームを含む血清中の細胞外小胞における候補検出が可能なのかを検討した。(リストアップされたのは約700種類のタンパク質)
研究結果では、細胞外小胞において約350種類のタンパク質を検出できた。(その中で、タンパク質22種類と、ペプチド(1つのタンパク質あたり、1または2ペプチド)37 種類において、大腸がん患者血清中で有意に発現量が増加)
また、ペプチドによって、大腸がん患者と健常者をどのくらい高精度で見分けることが可能かを検討した結果、アネキシンファミリーのペプチド(4種類)が大腸がん組織で発現増大しており、「9 割以上」の高精度で大腸がん患者を見分けることができたという。
従来の「CEA」における早期大腸がん患者の発見精度が4 割弱であることを考慮すると、今回同研究グループが発見したバイオマーカーペプチドは、従来のバイオマーカーの精度をはるかに上回るものだ。
同研究グループでは、今回発見したバイオマーカーを活用することで、今後は、バイオマーカー検査を便潜血検査の代わり(もしくは便潜血検査と併用)にすることで、検査における『偽陽性』、『偽陰性』が激減し、大腸がんの早期発見・大腸がんの死亡率低下、さらには無駄な内視鏡検査を省くことによる医療費の軽減効果も期待されるとしている。
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