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東京都健康長寿医療センターは9月8日、井上聡氏(同センター研究所研究部長)、高山賢一氏(同研究員)によって、従来治療が効かなくなった悪性の「前立腺がん」において、悪性の男性ホルモン受容体である「V7」をつくるRNA結合タンパク質「PSF(ピーエ スエフ)」と「NONO(ノノ)」を標的とした新たな診断・治療法を提唱することを発表した。
今回の研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の「次世代がん医 療創生研究事業 (P-CREATE)」の支援を受けており、同研究成果は、米国科学アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences of USA(PNAS)」(電子版)に掲載された。
前立腺がんは、男性がかかるがん種であり、その内で最も患者数が多いがんだ。
前立腺がんが進行すると、従来では男性ホルモン作用(ホルモン受容体)を抑えるホルモン療法による治療を行う。しかし、ホルモン受容体の異常発生で、薬剤への抵抗性を示すがんも出現する。薬剤が効かなくなると再発・難治化し、死に至るため、この治療法の開発が課題となっている。
また、再発した前立腺がんの過程では、亢進する男性ホルモンシグナルの作用を担うホルモン受容体の異常な増加・「V7」などの変異が起こることが分かっていたものの、その異常発生のメカニズムは不明だった。
同研究グループでは、前立腺がんとホルモンに関する研究に取り組んでおり、その中で、異常発生のコントロールを担うとして、がん細胞におけるRNA結合タンパク質「PSF」と「NONO」に着目。進行したがんの診断・治療の新たな標的になる可能性や、がんにおけるRNA成熟を制御するメカニズムの解明を探る研究を実施した。
手術標本・再発したがん組織のサンプルを利用したところ、「PSF」と「NONO」が治療後の再発・生存率を予測する診断マーカーとなることを発見。また、動物モデルでも、「PSF」を抑制することでホルモン療法の効かなくなった悪性の前立腺がんに対する治療効果を確認したという。
細胞内では、「PSF」がRNA成熟に重要なタンパク質群を制御して、異常なホルモン受容体のタンパク質産生・「V7」などの悪玉変異体の出現に至るメカニズムも判明した。
今回の研究結果から、RNA結合タンパク質「PSF」と「NONO」の増加によって、RNAの成熟やホルモン受容体の異常発生が起こることが判明したことで、RNA成熟のプロセスを標的とする(PSFとRNAの結合を阻害する)ことで、ホルモン受容体の異常を抑え、新しいがん診断・治療法の開発につながることが考えられる。
同研究グループでは、その機能を阻害する創薬候補の開発を進めており、今回の研究成果が、前立腺がんの今後の治療法の開発や再発・難治化の病態解明に大きく貢献する前立腺がん治療のブレイクスルーとなる可能性が考えられる。
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