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『細胞死』は「アポトーシス」と「非アポトーシス細胞死」に大別されるが、そのうち、「アポトーシス」は、個体の発生・生体の恒常性維持などに関わるとされる機構であり、非常に重要とされている。また、一方の「非アポトーシス細胞死」の重要性についても近年研究が進んでおり、世界的に注目が集まっているが、生理的役割を示した報告はない。
「アポトーシス」は、個体をより良い状態に保つための細胞死だが、「非アポトーシス細胞死」では、オートファジー(自食)やネクロープトーシス(壊死)による細胞死が重要であることがわかっている。
東京医科歯科大学では6月13日、荒川氏(同大難治疾患研究講師)、清水氏(同教授)らの研究グループと大阪国際がんセンター・研究所の辻本氏(同研究所長)らの研究グループは共同で、オートファジー細胞死による「アポトーシスの代償」という生体における役割をつきとめたと発表した。
同研究成果は、国際科学誌「Cell Death & Differentiation」(電子版)で発表されている。
同研究グループは、2004年に世界初となるオートファジー細胞死の存在を発見していたものの、生体での役割については未解明だった。
今回、共同研究グループでは、「非アポトーシス細胞死」の一つであるこのオートファジー細胞死について、「生体内で実際に起きているのか」、「いつ、どこで起こっているのか」を明らかにするために、オートファジー細胞死を起こさないマウスを作製、その表現型を解析した。
「正常マウス(WT)」に加え、アポトーシスを起こさない「Bax/Bak2重欠損(DKO)マウス」、アポトーシスもオートファジー細胞死も起こさない「Atg5/Bax/Bak3重欠損(TKO)マウス」を作製して、それぞれのマウスの「指の形成」を観察している。
通常、指と指の間にある水かき細胞のアポトーシスによって、マウスの指の形成は胎仔期の「13.5日目」におこる。しかし、DKOマウスでは、アポトーシス不全によって指の形成が遅れ、1日後に指が形成された。また、水かき細胞ではアポトーシスの代わりにオートファジー細胞死が観察された。
また、TKOマウスにおいては、アポトーシス不全・オートファジー細胞死不全によって、指の形成はさらに遅れた。
これらの結果により、DKOマウスの指の形成においてオートファジー細胞死がアポトーシスを代償している事が判明したという。
また、マウスの胎仔期の「脳」でもアポトーシスは盛んに起こっているが、アポトーシス不全(DKO)マウスでも、脳の形成にほとんど異常はみられず、アポトーシスに代わる何らかの『代替機構の存在』が予測された。
今回作製されたTKOマウスにおいて高頻度で脳の奇形が生じることが判明した一方で、DKOマウスでは正常な脳形成が行なわれており、これはオートファジー細胞死がアポトーシスを代替しているものと考えられるという。
同研究グループは、今回の研究成果が非アポトーシス細胞死の生体での役割を明確に示した初めての論文となったとしている。
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