再生医療クリニックに停止命令、国に無届けで出臍帯血移植など
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2014年9月に世界初のiPS細胞を用いた移植手術が行われるなど、 注目を浴びる再生医療。従来の治療法では効果のなかった疾患に対する治療が可能になるなどの期待が高まっている。
しかし、この再生医療はまだ新しい医療であるため、医療の安全性の確保することが重要視され、同年11月には「再生医療安全性確保法」が施行されている。
そこでは再生医療における安全性の確保として、実施する治療内容・安全確保の措置などを記載した計画書の提出が義務付けられており、違反した場合には罰則規定がある。
計画書の提出なく、国に無届けで再生医療を実施
厚生労働省では5月12日、国への提出が義務づけられている計画書を提出さずに再生医療を実施したとして、抗加齢医療・美容医療などを行う「スタークリニック」(東京都港区)に再生医療安全性確保法に基づく治療の一時停止の緊急命令を出した。
クリニックは国への届け出はしておらず、国が認めた有識者らでつくる委員会での審議が途中段階だったとされる。
同クリニックは昨年11月～今年1月、少なくとも2人の患者に対し、患者自身の脂肪から取り出した幹細胞を使った再生治療を行っており、同省はクリニックに患者の健康被害の有無などを報告するよう求めている。
無届けで「臍帯血移植」クリニックにも再生医療の一時停止命令
同省は同月8日にも、内科・がん免疫療法なとを行う大手町クリニック(愛媛県松山市)が臍帯血(さいたいけつ)の移植治療を国に無届けで行っていたとして、同クリニックに再生医療の提供の一時停止を求める緊急命令を出している。
同省によると、クリニックは昨年2～9月、少なくとも患者5人に対し、他人の臍帯血(へその緒や胎盤に含まれる血液)を移植したという。同省では、クリニックに治療実態や臍帯血の入手経路などを2週間以内に報告するよう求めた。
他人の臍帯血を用いた再生医療では、同省は今年2月にも、計画書を無届けで再生医療を実施していたとして「埼玉メディカルクリニック」(埼玉県所沢市)に治療の一時停止を求める緊急命令を出していた。
同クリニックは2015年12月からこれまでに8人に対して、アンチエイジング(老化防止)などを目的に、他人の臍帯血(さいたいけつ)を用いた再生医療を実施。同省では入手先や健康被害の有無などの報告を求めていた。
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