「光」で遺伝子コントロール、東大が新技術を開発

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近年、ヒトの遺伝子のメカニズムを解明するための新たな技術として、光や化合物を活用した「Cre–loxPシステム」が注目されている。

この「Cre–loxPシステム」では、DNA組換えを人為的にコントロールすることが可能な遺伝子組み換え実験系で、すでに「遺伝子ノックアウト」を実施するなどにも使われている技術だ。

その中でも、生体組織や細胞を標的とした光による遺伝子のコントロールは、DNA組換え技術の応用への可能性を大きく広げるものと言える。

2016年10月には東京大学が河野風雲特任研究員(同大学大学院総合文化研究科、現コロンビア大学リハビリテーション再生医療学科博士研究員)、岡崎里紗子院生、佐藤守俊氏准教授と、矢澤真幸氏(コロンビア大学リハビリテーション再生医療学科・薬理学科助教授)の共同研究グループによって、光によるDNA組換え反応をコントロール可能な新技術を開発することに成功したと発表した。

この新技術では、短時間の光照射や微弱な光でもDNA組換え反応を高効率でコントロールできるという。

光照射による臓器内の遺伝子コントロール『光活性化型Cre』

今回の共同研究グループでは、「Cre–loxPシステム」において触媒の役目を担うDNA組換え酵素(Cre)に着目している。このCreを光照射で反応させることでDNA組換え反応をコントロールする『光活性化型Cre』を開発し、「PA-Cre」と命名した。

この「PA-Cre」を活用することで、生体外からの30秒程度の短時間の光照射でもマウスの臓器内の狙った部位で遺伝子の働きを高効率でコントロールできることも実証されたという。

非侵襲的で生体への負担軽減、簡便性も向上

従来の光を活用した遺伝子コントロール技術では、DNA組換え反応の効率は著しく低く、マウスなどの動物実験への応用は困難だった。また、従来の光遺伝学では、マウスなどの動物の生体深部に光を照射するために、細い光ファイバー線を差し込む方法や小型LED装置をインプラントする方法など外科的侵襲を伴うものだった。

一方で新技術の「PA-Cre」のような非侵襲的手法では、動物の負担を大幅に減らることが出来るようになる。また実験の簡便性という点でも向上させるものになる。

病気・疾患の原因になる遺伝子のメカニズム解明に応用

このような遺伝子におけるDNA組換え反応を利用することで、遺伝子関連分野では今後さらに大きな発展が見込めるようになる。

今回の研究成果ではより簡便に生体への負担も軽減しながら光によるDNA組換え反応をコントロールすることが可能になる。

これにより病気や疾患の原因として関わる様々な遺伝子のメカニズム解明に応用されることが期待される。

公開日 :2016.12.22 更新日 :2021.10.06

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