アイスバケツチャレンジ寄付金で「ALS原因遺伝子」の発見に

公開日:
最終更新日:

フェイスブックやTwitterといったSNSや口コミによるバイラル効果で2014年には社会現象になっていた「ALSアイスバケツチャレンジ」を覚えているだろうか。

難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)への理解を促進しようという意図のチャリティキャンペーンの一環で、アメリカMLBのプロ野球選手やオバマ大統領、フェイスブックのザッカーバーグなどの数々の著名人も参加した。日本国内でもノーベル化学賞の山中伸弥教授などが参加している。

今回、米・ALS協会ではこの「アイスバケツチャレンジ」運動により開始後2ヶ月で研究費用となる約1億1500万ドルの寄付が集まり、ALSの発症原因遺伝子として「NEK1」を新たに突き止めたことを発表した。同研究成果は、7月25日付けの「Nature Genetics」(電子版)に掲載されている。

「アイスバケツチャレンジ」とALS

アイスバケツチャレンジは、その名の通り指名を受けると頭からバケツ一杯に入った氷水を浴びる(もしくは、ALS団体への寄付を行う)というものだ。さらに、氷水をかぶった後は3人の友だちを指名してチャレンジを促す。

その繋がりから多くの人にALSという難病を知ってもらいながら寄付を募り、新しい治療法の確立などを目指すもので、2014年には社会現象にもなった。

ALSは神経変性疾患で、手足など筋肉が萎縮して筋力が低下していく病気だ。進行性で呼吸筋の麻痺により死亡するケースもある。

MBLで活躍した名選手ルー・ゲーリッグ氏がALSに罹患し亡くなったことから、別名ルー・ゲーリッグ病とも呼ばれている。このゲーリック選手のことからアメリカでは広く知られている疾病だ。

ALSの原因遺伝子「NEK1」を新たに発見

同協会では、アイスバケツチャレンジで集まった寄付金をALS患者のゲノム解析を行う「プロジェクトMinE」に提供している。

今回、同プロジェクトにおいて患者1万5,000人以上からALSの発症原因となる遺伝子を検証した結果、「NEK1」遺伝子が発見されたというのだ。これにより、この「NEK1遺伝子」を標的としたALSの新治療法の開発も期待できるようだ。

最新遺伝子検査の「ビッグデータ研究」が可能に

同協会によると今回の発見は、日本円で約120億円に及ぶ寄付金が集まったことにより15,000にも及ぶ膨大な数のALSサンプルを利用できた最新遺伝子検査の「ビッグデータ研究」であったからこそ、ALS原因遺伝子の発見も可能になったとしている。

また一連のプロジェクトで、11ヶ国80人以上の研究者が関与しており、150以上の調査や研究プロジェクトを進めることもできたとしている。

公開日 :2016.10.26 更新日 :2021.10.06

臨床検査技師の新着求人情報

  • 《新卒応募可能/幅広い経験を積めます》川崎市にある急性期病院

    求人名非公開 ※詳細はお問い合わせ下さい

    月給 208,000円~ ・・・

    神奈川県川崎市

    病院での臨床検査技師業務/新卒OK/エコー未経験

     
  • 《エコー検査メイン・残業ほぼなし》新宿区の健診クリニック

    医療法人社団成山会 楠樹記念クリニック

    月給 280,000円~ ・・・

    東京都新宿区

    健診クリニックにおける臨床検査技師業務/生理検査/エコー

     
  • 《有期雇用契約・腹部エコー経験者》中央区の健診センター

    医療法人大地の会 KRD日本橋

    月給 271,000円~3・・・

    東京都中央区

    クリニックでの臨床検査技師業務/腹部エコー/有期雇用契約

     

LINE公式アカウント

求人やセミナー情報を随時配信中! あなたの転職活動をサポートする担当者へ、気軽にLINEで質問や相談することが出来ます。

我々は「入職後の活躍」を見据えて、組織にフィットする方々をご紹介しています。
コメディカルのマッチングでは、10年以上の実績がございます。積み上げたノウハウを活かして、採用をサポートいたします。