誤って乳房全摘出、人員不足による検査技師らの過負荷を指摘

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千葉県がんセンター(千葉市中央区)で50代の乳がん患者の検体を取り違え、早急に手術をする必要はなかった30代の女性患者の右乳房を誤って全摘出した医療事故
今年2月17日に、事故後設置された院内事故調査委員会(長谷川剛委員長・上尾中央総合病院院長補佐)において外部の医師や弁護士などの専門家がまとめた事故原因の調査結果が報告された。

別の患者から採取した検体を「取り違え」

同センターでは、2015年10月に乳腺外科の外来担当の医師が進行性乳がんの50代の女性と早急に手術する必要は低かったとされる30代の女性の検体を同日に針で採取した
2人はそれぞれ乳房に針を刺して採取した細胞組織を調べる「針生検(はりせいけん)」を行ったという。
採取後のそれぞれの検体は別の医師によってホルマリン容器に入れられ、看護師が患者の氏名などの書かれたラベルをその容器に貼りつけて、乳腺外科の検体置き場で約2時間保管していた。
「取り違え」はその後に起きたと考えられるという。 取り違えられた2つの検体は看護補助者によって他の患者の検体とともに病理部門へ運ばれ、そこで臨床検査科の受付担当の職員が対象の検体を含む4つの容器を同時に「切り出し室」に運んでいる
切り出し室では臨床検査技師が病理標本を作製するために検体の組織を別の検査用の専用容器「カセット」にそれぞれ移し替えている

「取り違え」の詳しい原因は特定できず

今回、同調査委員会ではこのいずれかの過程で取り違えが起きた可能性が高いとする報告書を公表した一方で、特定の要因には言及していない。
この一連の作業には臨床検査技師を含む医療従事者が関わっているが、同調査委員会では、客観的な証拠による検討はこれ以上出来ないと釈明した。
また調査の結果では、この作業以降に取り違えた可能性はないという。

検体数増加も人員は不足、相互連携が機能せず

また同調査委員会では病理診断が必要な検体数が増加しているのに対して、同センターに十分な人員が確保されていないことを指摘した。 さらに乳腺外科の担当の医師は経験が浅く認識が不十分で、画像診断と臨床所見が食い違っていることについての乳腺外科と病理診断における議論も不十分で手術・治療方針を決定するカンファレンスでの連携が機能していなかったとした。
同調査会委員長の長谷川氏は、臨床検査技師らの「過負荷な状況」が事故の背景にはあるとして、適切な人員配置になるよう臨床検査技師の増員を県や病院側に提言している。

公開日 :2016.04.22 更新日 :2021.10.06

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