気温が下がり、ノロウイルスやインフルエンザなどの感染症の季節になっている。
さらに今年は、乳幼児に多い「RSウイルス」の感染者数では過去最多になっている。
また、11月~1月に多いノロウイルスは昨年に新型が発見され、ノロウイルスによる感染性胃腸炎もすでに増加中だ。
(看護師コラム :流行りの「RSウイルス」、感染者数が2003年以降で過去最多に
臨床検査技師コラム :今年も流行期、ライフサイエンス分野で新型ノロウイルスも発見も参照)
糖尿病治療薬を中心に医薬品開発を手掛ける株式会社三和化学研究所(本社:愛知県名古屋市東区、秦克美社長)は12月7日に、インフルエンザウイルス抗原迅速キット「ファインビジョン Influenza」を発売した。
今回発売された検査キットは、テストデバイタイプ(カセット形状)で、判定ラインに赤、青、緑のマルチカラーを取り入れて見やすくしたのが特徴で、必要に応じて利用者自身がインフルエンザ感染の有無を確認することも可能だ。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染によって起こる疾患で、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛等を招き、場合によっては免疫力が低下している高齢者の肺炎等の併発により重症化することもある。
インフルエンザウイルスは感染力が高いため、感染拡大を防ぐためにも医療現場では早期診断、早期治療が重要となってくる。
今回、これまでの同社の従来品よりも判定に要する時間を短縮し、陰性判定は5分、陽性判定も大半が1分以内で検出できるようになったという。
A型及びB型インフルエンザウイルス抗原の検出を使用目的とした検査キットになっている。
国立感染症研究所がまとめた11月26日までのインフルエンザウイルス分離・検出状況によると、今年はA/H3N2亜型(A香港型)が56件と多く、次にA/H1N1pdm09亜型(2009年に出現した新型インフルエンザウイルス)が29件と続いている。
B型インフルエンザも報告されており、山形系統が20件、ビクトリア系統が5件となっており、検出件数は合計で110件になっている。
昨年同時期の発生件数(529件)と比較すると21%にとどまっており、立ち上がりが遅いことが分かるが、昨年流行したのはA/H3亜型がほとんどで飛び抜けて多かった。
これに対して今シーズンはA/H3、A/H1pdm、B/山形系統、B/ビクトリア系統と4種検出されており、「混合流行」する可能性も出てきているので注意が必要だ。
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