次世代の医薬品「核酸医薬」を内服化

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これまで治療が困難とされているがんや神経疾患なでにおいて、細胞内の標的遺伝子を制御することで病気を治療する次世代バイオ医薬品として期待される「核酸医薬」。 その実用化に向けた開発が進んでいるようだ。
東京医科歯科大学は11月20日、同大学院医歯学総合研究科・脳神経病態学分野の横田隆徳教授、大阪大谷大学薬学部薬剤学講座の村上正裕教授らの研究グループが、世界初の核酸医薬の経口摂取を可能とする新しい送達技術の開発に成功したと発表した。
研究成果の一部が国際科学誌「Scientific Reports」(電子版)に11月23日付けで公表されている。

核酸医薬による遺伝子治療

核酸医薬を用いた遺伝子治療は、細胞膜上の分子のみを標的にする「抗体医薬」と異なり、細胞内のあらゆる遺伝子を制御できることで、特にがんや神経疾患への臨床応用が強く期待されている。
(臨床検査技師コラム :東京医歯大が第3の核酸医薬を開発も参照)

しかし、アメリカで2012年に脂質低下薬「ミポメルセン」食品医薬品局(FDA)により認可されて以来、その臨床応用が急速に進展している一方で、注射薬しか開発されておらず、特に長期投与が必要な疾患に対する投与方法としては核酸医薬の限界が指摘されてきた。
そのため今後、核酸を用いた治療がより一般的な治療法となるためには、内服可能な核酸医薬の開発が課題となっている。

注射以外でのより安全な新しい送達技術を確立

核酸医薬の内服化における効果と安全性の改善を目指す上では、標的とする臓器への特異的な送達技術も重要な課題となっており、今回、同研究グループでは、肝臓を標的とする核酸医薬の経口可能な製剤の開発に取り組み、その前段階として座薬又は注腸剤として用いることができる核酸医薬を世界で初めて作製した。
同研究グループは、食事中のビタミンEが腸管で吸収されて肝臓に送達される生理的な送達経路を利用して、過去の研究において開発したビタミンE結合siRNA(=核酸医薬の1つ)を肝臓に到達させ、標的遺伝子の発現を抑制する実験にも成功したという。

世界初の経口核酸医薬の開発に期待

今回の研究結果の臨床応用が可能になっていけば、従来の注射薬と比べ、患者の負担を大幅に軽減することが可能になる。
また、この今回の成果は核酸医薬の内服薬の開発の前段階の研究成果ということで、今後より安全性を高めて、誰もが手軽に核酸医薬品を使えるように応用が期待される。

公開日 :2016.02.05 更新日 :2021.10.06

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