佐賀大と生物研、絆創膏型の人工皮膚を開発

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再生医療をはじめとした医療の進化に伴って、未来の医療機器に対応する医療用素材(未来素材)の開発も求められている。 素材産業の業界では、様々な素材が医療用向けに活かされるよう、研究が進んでいる。
今年6月には、佐賀大の研究グループと農業生物資源研究所(生物研、茨城県つくば市)は共同開発で、やけどなどで損傷した部分に張って皮膚の再生を促す絆創膏(ばんそうこう)型人工皮膚を開発した
今後は人体への安全性の確認や患者によって形の違う患部にぴったりフィットするような張り付け方法なども確立させ、7年後(2022年)をめどに、再生医療の1つとして、開発に携わった医薬品メーカー祐徳薬品工業(鹿島市)からの実用化を目指す。

人工皮膚

人工皮膚は主にコラーゲンでできていて、やけどなどで負傷した皮膚部位の代替皮膚とされるもの。
皮膚治療では、一定の深さを超えて損傷して、皮膚の移植手術が必要になったとしても、手術可能な医療機関が限られており、部位が修復する過程で「引きつれ」を起こしたり、「ケロイド」状になったりして、元の状態にまで戻らず、傷痕が残るという課題もあった。
今回の開発で 、テープの張替えなどでも痛みを感じず、その目立った傷をふさいで、なるべく元の皮膚に近い状態にすることが期待される。

医療用新素材の開発

今回、同大らでは医療用新素材の開発の一環として、絆創膏型の人工皮膚を開発した。医療用粘着テープ、ポリエステル膜(コラーゲン繊維とテープの接着を防ぐフィルム)、高密度コラーゲン線維「アテロコラーゲンビトリゲル膜」の3層構造になっており、粘着テープとポリエステル膜は祐徳薬品の製品で、高密度コラーゲン線維「アテロコラーゲンビトリゲル膜」は生物研などが開発したブタ由来コラーゲンを特殊加工して作った医療用新素材だ。

救急医療での革新的な医療用素材に

今回の新素材では、絆創膏タイプとして患部に張り付けることができて、受傷した皮膚部位への細菌の侵入を防ぎ、回復に必要な水分の蒸発も抑えられる。 また、皮膚細胞の再生に必要なコラーゲンも供給できるようになっている。
マウスによる実験では、受傷後に見られる皮膚の引きつれが小さくなることも確認が出来た。
その実用化に向けて、研究グループでは、「広範囲の皮膚に傷害を受けた場合などの救急医療の現場において、革新的な医療機器となる」としている。

公開日 :2015.11.11 更新日 :2021.10.06

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