「NASH」新メカニズムを解明

公開日:
最終更新日:

肝臓に炎症が起こり、発熱や全身倦怠感などが生じる「肝炎」。
ウイルス感染が引き起こすB型、C型などのイメージが強いが、近年、そのようなウイルス感染ではなく、お酒をほとんど飲まない人でも肝炎を発症して、肝硬変、肝臓がんへと進行するケースが注目されるようになってきた。
横浜市立大や大阪大の研究チームは「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」において、太っている人の肝臓が腸内細菌に過敏に反応することで肝炎を発症するメカニズムを解明したと8月4日付けの米科学誌セル・メタボリズム(電子版)に発表した。
この「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」は、飲酒(アルコール)を発症原因に含まない肝炎だ。

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

肝臓内に中性脂肪(トリグリセリド)が溜まることで発症する「脂肪肝」の程度が進むと、肝臓に炎症が起こり「脂肪性肝炎」になる。 肝硬変の前段階だ。 このうち、アルコールが原因でない非アルコール性脂肪肝から発症する脂肪性肝炎が「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」になる
非アルコール性の脂肪肝患者を対象にした超音波検査では、その1割程度は「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」に進行しているという。

国内では200万人以上がNASHに

このNASH、国内ではメタボリックシンドロームなど症状に該当するような太っている人を中心に、200万人以上に発症している一方で、これまで簡易な診断法や効果的な治療がなかった。
これまでの診断法では、脇腹に針を刺して肝臓組織を一部採取する「肝生検」での診断が主流だったため、この「肝生検」には入院が必要になり、患者の体への負担が大きかった。
そこでNASHの研究を続けている大阪大の研究チームでは、会社の健康診断などで早期発見できて、体への負担もなくても済むように「血液検査」による新しい診断法を開発した。
これは、NASHを発症すると血中で増えるタンパク質を特定し、そのタンパク質の量などから診断するものだ。

NASHの治療薬開発に期待

今回の研究成果では、肥満の人の肝臓は、血液中の腸内細菌に過敏反応して、肝炎を発症するという、花粉症と似たようなメカニズムがあることが分かった。
これは、肥満になると、脂肪細胞から食欲抑制ホルモンのレプチンが多量に分泌されることが影響しているという。
このメカニズムが明らかになったことで、研究チームでは今後、有効的な治療薬の開発も進めていきたいとしている。

公開日 :2015.11.03 更新日 :2021.10.06

臨床検査技師の新着求人情報

  • 《新卒応募可能/幅広い経験を積めます》川崎市にある急性期病院

    求人名非公開 ※詳細はお問い合わせ下さい

    月給 208,000円~ ・・・

    神奈川県川崎市

    病院での臨床検査技師業務/新卒OK/エコー未経験

     
  • 《エコー検査メイン・残業ほぼなし》新宿区の健診クリニック

    医療法人社団成山会 楠樹記念クリニック

    月給 280,000円~ ・・・

    東京都新宿区

    健診クリニックにおける臨床検査技師業務/生理検査/エコー

     
  • 《有期雇用契約・腹部エコー経験者》中央区の健診センター

    医療法人大地の会 KRD日本橋

    月給 271,000円~3・・・

    東京都中央区

    クリニックでの臨床検査技師業務/腹部エコー/有期雇用契約

     

LINE公式アカウント

求人やセミナー情報を随時配信中! あなたの転職活動をサポートする担当者へ、気軽にLINEで質問や相談することが出来ます。

我々は「入職後の活躍」を見据えて、組織にフィットする方々をご紹介しています。
コメディカルのマッチングでは、10年以上の実績がございます。積み上げたノウハウを活かして、採用をサポートいたします。