医療事務の平均給与や年齢別の相場、増加傾向の有無を解説した記事です。昇進・資格・転職で給与アップを目指す方法や、ボーナス・残業代の実情も紹介しています。医療事務の給与に関するよくある質問にも答えています。
日本医労連が公開している「2024年度賃金労働時間等実態調査」によると、医療事務の平均給与は月収約28万円です。内訳は高卒約27.2万円、大卒約28.7万円です。
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば、一般労働者(常用雇用)の平均給与は月収約33万と、過去最高水準を記録しました。前年から3.8%の伸びを記録しています。
医療事務の平均給与は日本の一般労働者の平均給与と比べると約5万円低い水準です。理由の一つに、医療事務には特別な国家資格がなく、医師や看護師と比べると就職のハードルが低いことが挙げられます。
【年齢別】医療事務の平均給与
下記は、医療事務の年齢別平均給与です。
|
初任給 |
35歳 |
50歳 |
59歳 |
高校卒業 |
164,035円 |
251,784円 |
325,424円 |
348,522円 |
大学卒業 |
189,131円 |
260,887円 |
337,433円 |
360,577円 |
※日本医労連「2024年度賃金労働時間等実態調査」
大卒の医療事務従事者は、高卒に比べて全体的に高い水準で推移しています。初任給の差は、約2.5万円です。しかし、年齢を重ねると初任給ほどの差はなくなります。中高年層では、経験や勤続年数など他の要素が給与に反映されやすいといえます。
一方、日本の平均給与は以下です。
|
高校:~19歳 大学:20~24歳 |
35~39歳 |
45~49歳 |
55~59歳 |
高校卒業 |
199,800円 |
282,900円 |
316,700円 |
331,300円 |
大学卒業 |
250,800円 |
373,200円 |
459.200円 |
527,200円 |
※厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」
日本全体の平均給与を学歴別に見ると、高卒の初任給(〜19歳)は約19.9万円とやや低めで、大卒(20〜24歳)とは約5万円の差があります。その後も年齢を重ねるごとに、この差はさらに広がっていく傾向が見られます。
なお、調査によって年齢の区切りが異なるため、あくまで目安として参考にしてください。
医療事務の給与は増加傾向?
【高校卒業】
|
初任給 |
35歳 |
50歳 |
59歳 |
2024年度 |
164,035円 |
251,784円 |
325,424円 |
348,522円 |
2023年度 |
159,834円 |
251,765円 |
324,174円 |
348,761円 |
差額 |
+4,201円 |
+19円 |
+1,250円 |
−239円 |
※日本医労連「2024年度賃金労働時間等実態調査」「2023年度賃金労働時間等実態調査」
【大学卒業】
|
初任給 |
35歳 |
50歳 |
59歳 |
2024年度 |
189,131円 |
260,887円 |
337,433円 |
360,577円 |
2023年度 |
185,179円 |
259,766円 |
337,347円 |
362,151円 |
差額 |
+3,952円 |
+1,121円 |
+86円 |
−1,574円 |
※日本医労連「2024年度賃金労働時間等実態調査」「2023年度賃金労働時間等実態調査」
前年と比較した2024年度の医療事務の給与は、高卒・大卒とともに初任給が上昇しており、高卒約4,200円、大卒約3,900円の増加がみられます。
一方で35歳以降の伸び幅はごくわずかで、ほぼ横ばいの水準にとどまっています。59歳では微減となっており、中高年層の昇給は限定的です。近年の人手不足や最低賃金の上昇により、特に若年層の給与改善が進んだ結果といえるでしょう。
医療事務の給与は初任給を中心に改善が進んでいるものの、経験年数による大幅な給与アップが見込みにくい状況であることがわかります。
医療事務が給与アップを目指す方法
医療事務の給与は大幅アップが期待しにくい一方、働き方や努力次第で給与アップを目指すことが可能です。「昇進」「資格取得」「転職」の各特徴を知り、自分に合ったキャリアパスを選びましょう。
昇進をする
勤務先で経験を重ねると、主任やリーダー、課長補佐などの役職に就き、給与アップにつながることがあります。役職がつくことで、シフトの管理や新人教育、窓口対応のとりまとめなど、任される業務が広がるため、役職手当が支給されるケースもあります。
ただし、その分仕事量や責任も増えるため、収入だけでなく働き方や生活とのバランスも考えながらキャリアを選ぶことが大切です。
資格を取る
医療事務の仕事に就くために、必須の資格はありません。ただし、資格を取得することで専門知識が身につき、業務の効率化や上司からの評価につながる可能性があります。求人応募の際にも、資格を持っていることで有利になるケースも考えられます。
下記は、具体的な医療事務関係の資格例です。
・医療事務認定実務者(R)(全国医療福祉教育協会)・医療事務管理士(R)技能認定試験(技能認定振興協会(JSMA))
・診療報酬請求事務能力認定試験(日本医療保険事務協会)
・医療事務技能審査試験(日本医療教育財団)
・医事コンピュータ技能検定(医療秘書教育全国協議会)
・調剤報酬請求事務技能認定(日本医療教育財団)※調剤薬局向け
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転職をする
今の職場で給与アップが見込めないときは、転職によって待遇改善を狙う方法も有効です。これまでの経験やスキルが評価されれば、給与水準が高く高待遇の医療機関で働ける可能性があります。
自分に合った医療事務の求人を探したい場合は、メドフィットのサイトがおすすめです。非公開求人や好待遇案件も多数掲載されているため、給与アップを目指す転職活動に役立ちます。
医療事務の給与に関するよくある質問
医療事務の給与は、働き方や職場によって大きく差があります。ここでは「ボーナス」「残業代」など医療事務の仕事に興味を持っている方のよくある質問について、わかりやすく解説しています。
医療事務にボーナスはある?
医療事務にボーナスがあるかどうかは、勤務先や雇用形態によって異なります。正社員の場合は支給される職場も多く、支給タイミングは夏・冬の年2回が一般的です。
金額については、病院の規模や経営状況によって差があり、月収の2〜3カ月分が支給されることもあれば、寸志として数万円程度にとどまることもあります。一方、パートや派遣の場合は、ボーナスが支給されないケースも少なくありません。
医療事務は残業代は出る?
残業代は労働基準法で定められており、1日8時間または週40時間を超える勤務には、残業代が発生します。医療事務も例外ではなく、基本的に支給の対象です。
ただし、あらかじめ固定残業代(みなし残業)が含まれている契約では、その時間を超えた分しか支払われません。実際の条件は職場や契約内容によるため、必ず応募先の求人ページや雇用契約書を確認することが重要です。
医療事務の給与が安いって言われている理由は?
医療事務の平均給与は約28万円で、日本全体の平均給与約33万円と比べると低い水準です。この差から、ときには「安い」と言われることがあります。
理由の1つには、特別な国家資格が不要で比較的多くの人が目指せる職種である点が挙げられます。例えば同じ医療系でも看護師や医師は資格取得が必須です。特に近年は人材確保が難しいことからも、高い給与が設定されています。
一方で、医療事務の令和6年度の全国求人倍率は1.61倍、看護師は2.41倍とされています。医療事務も人手不足ではありますが、看護師ほど人材の確保が難しいわけではないため、給与水準は相対的に抑えられる傾向にあります
医療事務の給与は転職でアップを目指せます
医療事務の給与は全体的に日本の平均よりやや低めですが、初任給を中心に改善傾向が見られます。しかし、中高年層では昇給幅が小さく、長期的な給与アップは限定的です。
役職への昇進や資格取得で収入を伸ばす方法もありますが、最も直接的な方法は転職です。経験やスキルを評価してくれる職場と出会うことで、給与面や環境面でも待遇の良い環境で働ける可能性が高まります。
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