「医療事務はやめとけ」と言われる原因と真実!働くメリットと後悔しない方法

医療事務はやめとけと言われる原因は、給料や仕事面、人間関係、離職率の高さなど多岐にわたります。しかし未経験から目指せるなどメリットも多いため、適性を確認し資格を取得してから転職する方法がおすすめです。需要もやりがいもある医療事務の仕事について紹介します。

医療事務は止めとけと言われる原因と真実

「医療事務はやめたほうがいい」という声を聞いた方もいることでしょう。しかし、実際には、長く安定して働ける環境ややりがいを感じられる場面が多数あります。

本記事では、医療事務にまつわる「よくある声」の真偽を検証しながら、冷静に向き合うためのヒントをお届けします。

給料が低い

日本医療連合組合会「2024年度賃金・労働時間等実態調査」より、医療事務の平均月給は以下の通りです。

  初任給 35歳 50歳 59歳
高卒 164,035円 251,784円 325,424円 348,522円
大卒 189,131円 260,887円 337,433円 360,577円
平均すると、高卒272,441円、大卒287,007円です。一方、国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査結果」によると、給与所得者の平均月給は460万円であり、1カ月の平均は38.3万円となります。日本の平均月給と比較した医療事務の平均月給は、高卒で約11万円、大卒で約10万円低いことがわかります。
経験を評価してくれる
医療事務は、平均と比べると給料が低いものの、年齢とともに給与が上がる傾向があります。高卒と大卒の初任給の差も、年々小さくなり、50代以降はほとんど差がありません。定年間際には日本の平均月給に近い給料を得られることも分かります。このように、医療事務は、学歴よりも経験や勤続年数が重視される職種です。長く働くほど安定した収入につながる可能性があるでしょう。

勉強が大変

医療事務は、専門知識の習得が必要な職種です。診療報酬や保険制度など、覚える内容が多く、業務に就いた後も継続的な学びが求められます。

特に診療報酬は原則2年ごとに改定されるため、そのたびに知識をアップデートしなければなりません。正確な事務処理を行うためにも、常に最新情報をチェックする能力が求められます。
一生使えるスキルになる
医療事務の勉強は楽ではありませんが、一度習得すれば長く使える専門スキルです。実務経験を重ねることで、転職や職場変更の際にもスキルを活用しやすく、待遇アップのチャンスが広がります。医療機関で必要とされる知識・スキルを持つ人材として、安定して働き続けられる点は大きな強みです。

仕事がきつい

医療事務の主な仕事は以下の通りです。


・診療報酬の請求(レセプト業務)
・患者様の受付・対応
・電話応対
・会計処理
・保険証の確認・登録
・医師や看護師との連携・伝達業務
・書類整理やカルテ管理


医療事務は、業務の幅が広く覚えることが多いため、慣れるまではきついと感じやすい職種です。また、正確性と事務処理にスピードが求められること、クレーム対応なども人によってきついと感じやすい点と言えます。
やりがいを感じられる
レセプト作成など専門的な事務処理は責任が重く、プレッシャーを感じることもあります。しかし、医療事務は、医療現場を支える役割として必要不可欠な仕事です。誰にでもできることではありません。

職場の上司・同僚だけでなく、来院した患者様からも直接感謝の言葉を受け取れることもあります。自分の仕事が役立っていると実感できる場面があることは、医療事務の魅力です。

人間関係が辛い

医療事務の仕事は、基本的に異動がありません。人間関係が固定されるため、職場によっては、雰囲気が悪かったり、上下関係が厳しいと感じたりすることもあるようです。

例えば以下のケースでは、職場にいるだけでストレスを感じる可能性があります。

・ベテラン職員ばかりで同期がいないため孤独
・小さなミスでも強く注意され、陰口を言われる


人間関係の不安は、仕事へのモチベーション低下や転職への意思の高まりなどの問題が発生するでしょう。
自身に合う職場なら長く働ける
ただし、人間関係が合う・合わないは、医療事務に限った話ではありません。自身に合った職場を選ぶことが、安心して長く働くコツです。

そのためには以下のような対策も有効です。

・職場見学や体験入職で雰囲気を確認する
・面接時にスタッフの雰囲気や定着率を質問
・医療事務専門の転職サービスで職場情報をチェックする


人間関係に不安を感じやすい方こそ、事前対策が安心につながります。

離職率が高い

医療・福祉業界は「離職率が高い」というイメージを持たれることがあります。厚生労働省「雇用動向調査結果の概況」では、入職者と離職者の比較データが公開されています。

 

令和元年

令和2年

令和3年

令和4年

令和5年

入職者数

1,210.5

1,117.5

1,120.8

1,138.1

1,266.5

離職者数

1,070.5

1,074.0

1,056.4

1,210.0

1,157.1


(単位/千人)

この5年間を見ると、年によって離職者数の増減はあるものの、入職者数が離職者数を上回る傾向が高めです。特に令和5年の入職者数は1,266.5千人と過去5年で最も多く、「医療・福祉分野への参入者が増えている」とも言えるでしょう。

その一方で、令和4年には離職者数が入職者数を上回っています。離職率が改善傾向にあるとは断言できません。
全ての施設で離職率が高いわけではない
ただし、紹介したデータはあくまで業界全体の平均です。実際には、すべての施設で離職率が高いわけではなく、安定して長く働ける職場もあります。

離職率が高い施設の特徴には、以下のような傾向が見られます。

・相場より給料が低い
・人手不足で業務負担が大きい
・シフトが不規則でワークライフバランスがとりにくい
・上司・同僚との人間関係に問題がある


このような施設を避けるためには、事前に職場の口コミを調べたり、見学や面接で職場の雰囲気・条件をしっかり確認したりすることが大切です。適切なリサーチを行えば、離職率の低い職場で安定して働くことも十分可能です。

医療事務はメリットが多い

医療事務は「やめとけ」と言われる面もありますが、実際にはメリットも多い職種です。
働き方や将来性の面から見ても、安定して続けやすい仕事といえるでしょう。ここでは、医療事務として働く具体的なメリットについて解説します。

未経験から目指せる

医療事務の求人には、未経験者歓迎の募集が多数あります。医療系の資格や専門知識がなくても応募できるケースが多く、入職後に実務を通してスキルアップが可能です。異業種から医療・福祉の仕事に初めて転職する方にとってチャレンジしやすい環境といえます。

働き方の選択肢が多い

医療事務は、正社員だけでなく、パートタイム・派遣・契約社員など、多様な雇用形態があります。子育て中の方や、副業・ダブルワーク希望の方でも働きやすい職種です。下記のようにライフスタイルに合わせた働き方を選べるのは、医療事務ならではの魅力です。
・午前中のみのパート勤務
・フルタイムの派遣スタッフ
・診療時間外対応・土日祝のみのアルバイト

需要が高く将来性もある

社会の高齢化や地域医療の強化にともない、医療サービスの内容は、年々多様化しています。
医療事務は、医療機関の経営や業務を支える重要な存在であり、今後もニーズが高まると考えられます。

データ分析や情報処理は、AIが得意とする分野です。「将来的に事務職がなくなる」との意見もありますが、医療事務の仕事は会計業務だけではありません。受付や患者対応、人間の目での判断など臨機応変な対応が必要であり完全な代替は難しいとされています。医療事務は「専門性と柔軟性を持つ仕事」であり、今後も安定した活躍が期待される職種です。

後悔しない!医療事務を目指すポイント

医療事務はメリットの多い職種ですが、「思っていた仕事と違う」と感じて離職につながるケースがあります。後悔しないためにも、医療事務を目指す前に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

適性を確認する

医療事務に限らず、どの職種にも向き不向きがあります。自分に合わない仕事を選ぶと「やめとけばよかった」と後悔する確率が高まります。

医療事務も同様です。事前に自分が医療事務の仕事に適性があるかを確認しておきましょう。医療事務に向いている方の特徴は、以下の通りです。

・新しい情報に対して関心があり、勉強熱心な方
・基本的なパソコンスキルがある方
・思いやりを持って人と接することができる方
・コミュニケーションが得意な方
・チームで仕事をすることが得意な方
・ルールやマニュアルにそって丁寧に進めるのが得意な方

資格の取得を目指す

医療事務は資格がなくても働ける仕事です。しかし、未経験から目指す場合は、資格取得がおすすめです。

資格の勉強を通して、仕事のイメージをつかみ、自分の適性がイメージできます。
転職時にもスキルや熱意のアピール材料になるため、理想の職場に採用される可能性が高まる点もポイントです。

プロのサポートを受ける

自分ひとりで「理想の職場」に転職するのは、想像以上に難しいこともあります。特に職場の雰囲気や人間関係は、仕事を続けるうえで重要な要素ですが、求人票だけではわかりにくく、入職後にギャップを感じやすいでしょう。

自分に合った職場を探す際には、医療業界に特化した転職エージェントのサポートを受けるのもひとつの方法です。希望条件を伝えることで、プロの視点で職場を紹介してもらえます。現在在職中の方も、効率よく転職活動が進められます。


医療事務は需要もやりがいもある仕事です

医療事務独特の厳しさや課題から「やめとけ」と言われるケースがあります。しかし、実際は社会的な需要の高さや働き方の柔軟性、やりがいなど魅力の多い仕事です。未経験からチャレンジしても、経験を積むことで長く安定して働けます。そのためには、適性を理解したうえで働きやすい職場を見つける必要があるでしょう。

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