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手術中にがんが疑われる組織に当てるだけで、わずか10秒ほどでがんかどうかを特定できるペン型の装置「MasSpec Pen」。周囲の組織に浸潤しやすく、肉眼では正常組織との見分けがつきにくいがん(特に乳がん・膵がん、脳腫瘍など)でもこの装置を使用すれば、がん組織を残らず切除することができるというものだ。
開発した米テキサス大学の研究グループによると、同装置が将来的に実用化されると、手術中でがん組織の取り残しを回避でき、組織検体を病理検査室に送る必要もなくなるため手術時間を短縮できる可能性があるとしている。
同研究成果は、9月6日付けのトランスレーショナル医療に関する専門誌「Science Translational Medicine」に掲載されている。
今回開発されたのは、「質量分析計」(物質の化学組成・質量組成を分析する)とセットで使用する使い捨てタイプのペン型装置「MasSpec Pen」。
体組織に「MasSpec Pen」のペン先端部分を当てると、約3秒間組織上に小さな水滴を放出。水滴中に溶け込こんだ組織の分子を、ペン先端部から取り込まれた水滴とともに細い管から質量分析計に送ることで、コンピュータ画面に分析結果が表示される仕組みになっている。
同研究グループが、253検体(乳がん・肺がん・甲状腺がん・卵巣がんの患者から提供)を対象に「MasSpec Pen」の精度を検証した結果では、精度「96.3%」(感度「96.4%」、特異度「96.2%」)と極めて高い結果になった。
また、「甲状腺の腫瘍の悪性・良性の判別」、「肺がんの組織学的なサブタイプの特定」などもできることが判明したという。
従来の手術において、がん組織を残らず切除できたかどうかの確認には、「術中迅速病理診断」(手術中に予測していなかった病変組織を病理検査に出して「凍結切片」の標本にする)が行われるケースが多いが、検体が急速冷凍される間、患者は麻酔下で数十分待たされていたため、同装置は、手術時間の短縮にも寄与する可能性がありそうだ。
通常の検体を標本にする場合は20時間以上かかるため、術中迅速病理診断でも通常の病理診断に比べればはるかに早く結果が得られるものの、高い技術が必要になり、患者や手術スタッフの待機も強いられる。また、標本を作製する検査技師による感染症の元となる病原体への暴露の危険性なども潜んでいる。
多くの外科医が経験するケースとして、手術中には「がんではない」と判断された組織が、後に陽性であると判明し、追加の手術・治療が必要になるというものがある。
そのため、今回の装置を手術室で利用できれば、簡便さと精度を兼ね備えたがん検出装置として治療に大きなメリットになる。同研究グループでは、来年以降の臨床試験の開始を検討しており、実用化までに数年はかかる見込みだとしている。
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