公開日:
最終更新日:
肝がんをはじめ多くのがん治療の場面に使用されている『抗血管新生療法』。がんの転移を誘発する血管新生のプロセスを標的にした分子標的治療で、細胞への血液の供給を絶つことでがん細胞を縮小させる治療法だ。
しかし、治療初期には有効であっても、繰り返し治療を続ける中で、がんが「治療抵抗性」を獲得するため、がんの再発や進行が見られることがこの治療における問題となっている。
東京医科歯科大学では3月1日、田中真二氏(同大大学院医歯学総合研究科分子腫瘍医学分野教授)、島田周氏(同助教)、秋山好光氏(同講師)、大畠慶映氏(同大学院生)の研究グループが、肝がん(肝細胞がん)における生体内での抗血管新生剤に対する耐性株を作成し、がんが治療抵抗性を獲得する分子レベルでのメカニズムを世界で初めて発見したと発表した。
同研究成果は、2月28日付けの「Molecular Cancer Therapeutics」(電子版)に掲載されている。
肝がん(肝細胞がん)は、肝臓の慢性的な疾患(C型(B型)肝炎、アルコール性肝炎、脂肪肝など)が原因で発症するケースがほとんどだ。近年、その治療として抗血管新生療法が用いられるが、がんが「治療抵抗性」を持つようになることが問題だった。
今回同研究グループでは、免疫不全マウスにヒト肝がん細胞を皮下移植し、そのマウスに抗血管新生剤を投与し継代する手法によって、薬剤耐性株を作り出すことに成功。
作製した薬剤耐性株の解析結果から、生体内で肝がん細胞が治療抵抗性を獲得していくメカニズムを分子レベルで解明した。
さらに同研究グループは、抗血管新生剤を用いて長期的な治療を行うことにより、生体内におけるがん細胞遺伝子のエピゲノム変化(プロモーター領域におけるDNA脱メチル化およびヒストン活性化修飾)が起こっていることを確認。これにより、薬剤耐性化が起きることが分かったという。
さらに、がん幹細胞化に関与した遺伝子発現『thymosin beta 4(Tβ4)』も誘導されており、それによる治療抵抗性の獲得も示唆されたとしている。
実際の肝がん患者では、遺伝子発現『Tβ4』が陽性の症例において、抗血管新生剤が効きにくいことが分かったため、『Tβ4』は感受性バイオマーカーにもなるという。
今回の研究結果として、臨床の治療に近いケースを想定して、長期間における反復薬剤投与によって抗血管新生治療耐性の肝がんモデル化に成功。また、生体内のがん細胞遺伝子のエピゲノム変化による薬剤耐性の獲得についても証明した。がんの治療抵抗性のメカニズムを解明する発見といえる。
これにより、今後はがん細胞遺伝子のエピゲノム変化の制御による薬剤耐性化阻止などの新しい治療法の開発も期待される。
《給与水準高め・準夜・夜間帯勤務なし》西宮市の一般病院
求人名非公開 ※詳細はお問い合わせ下さい
月給 275,000円〜4・・・
兵庫県西宮市
病院での臨床工学技士業務/透析業務/日勤
《マイカー通勤OK・透析経験者募集》彦根市のケアミックス病院
求人名非公開 ※詳細はお問い合わせ下さい
月給 226,800円〜2・・・
滋賀県彦根市
病院での臨床工学技士業務/透析/機器管理/呼吸器管理
我々は「入職後の活躍」を見据えて、組織にフィットする方々をご紹介しています。
コメディカルのマッチングでは、10年以上の実績がございます。積み上げたノウハウを活かして、採用をサポートいたします。