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心拍数や心拍リズムが安定しない状態である「不整脈」。全く自覚症状のないものや、突然死の原因になるものまで様々な種類が存在しているが、世界的に見ても最も罹患率の高い不整脈に「心房細動」がある。
この「心房細動」は全世界で 3,000 万人を超える患者がいると推測されており、日本メドトロニック株式会社社(本社:東京都港区、島田隆社長)は2月22日、心房細動(AF)治療のためのArctic Front Advance(TM)冷凍アブレーションカテーテルに関して、多施設共同の市販後観察研究である「Cryo AF グローバルレジストリ」に参加したと発表した。
不整脈のひとつで、心房が小刻みに動き、けいれんするような病状が現れる心房細動(Atrial Fibrillation,AF)。
心房細動により、心房には血栓ができやすくなり、その血栓が脳に飛んで脳梗塞(脳の血管が詰まる)リスクが高まるとされる。
発作性AFに対しては、カテーテルアブレーション治療の治療効果があるとされており、国内だけでも年間約5万件の治療が行われている。
しかし従来では、不整脈の原因となる心臓の内部を高周波を用いることで焼き切るアブレーションが行われてきたが、手技的にはやや難易度が高く、術者によってアプローチ法も異なるなど、術者・施設によりその治療成績は統一されていない可能性があった。
一方、2014年から公的保険が適応された『冷凍アブレーション』は、バルーン(風船)を使用することで手技が比較的に容易になり、アプローチ法もほぼ均一になったため、術者・施設間による成績の差も僅少になったものとされる。
国内では、同社による「Arctic Front Advance冷凍アブレーションカテーテル」が、薬剤抵抗性を有した再発性症候性の発作性AFの患者向けの治療法として使用されている。
冷凍アブレーションによりAFの発現回数を減少させることで、患者の動悸、疲労、目眩などの症状が改善し、QOL(患者の生活の質)が向上しうると期待されるものだ。
すでに同社製品の冷凍アブレーションカテーテル及ひ周辺システムは、50を超える国の約1,300の医療機関に導入されており、20万人超の患者の治療に用いられている。
今回の市販後観察研究「Cryo AF グローバルレジストリ」では、国内でも患者の登録が開始されており、さらに25を超える国・30以上の医療機関から患者1,000人が登録される予定で、患者追跡による冷凍アブレーション実施において、同製品を用いた手技についての有効性・安全性、再アブレーションの頻度や、QOLの改善などを評価する予定。
すでに国内以外でも中南米で患者の登録が開始されており、今後はヨーロッパ、アメリカ、中東、中国で登録を開始していくことになっており、それぞれの治療件数に関わらず、参加する全医療機関における治療効果を評価する方針だとしている。
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