すい臓がんの死亡率を下げろ!

公開日:
最終更新日:

日本のすい臓がんは、残念ながら死亡率が高い。発見した時には末期で手の施しようがないというケースが多いのだ。
その原因は、すい臓がんの特徴にある。「自覚症状が出にくい」「発生部位によっては最初から手術療法適用範囲外である」「切除できたとしても再発の危険性が高い」などの要素が重なって、他の種類のがんであれば治療可能なところで行き詰ってしまう。
がんの死亡率を示す数値として「5年生存率」が用いられるが、すい臓がんの5年生存率は低い。ステージⅠではそれでも57%あるが、ステージⅡで44%、ステージⅢでは24%、ステージⅣでは3~11%だ。そして、末期になってから発見される傾向から、すい臓がんについては宣告の段階で5年生存率が11%を切るケースが多い実態が浮き彫りになる。
年々上昇を続ける悪性新生物の死亡数に歯止めをかけるには、すい臓がんをはじめとした「がん」を早期発見する方法を確立するしかない。

すい臓がんの発見に有効な検査方法

生命維持装置や透析機器などの保全・運用を主な業務とする臨床工学技士にも、すい臓がん患者の生還率を上げられる業務がある。
それが内視鏡による検体採取だ。
特に近年「超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)」は、がん正答率が高い検査方法として注目されている。
そもそもすい臓という臓器は胃や腸の影に存在し、超音波や腫瘍マーカーでは確実な診断が難しい。
胃腸のガスや、胃腸そのものが遮蔽物となって超音波画像が不鮮明になったりする上、多くのがん発見のきっかけとなる腫瘍マーカーもすい臓がんについては明確な指標がないのだ。
「超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)」では内視鏡の挿管によって、病変部位を直接確認する。組織を吸引採取して検体検査を行えば、ほぼ確実な診断が可能だ。

内視鏡検査で担う臨床工学技士の役割

内視鏡センターを設置している施設では、臨床工学技士は電子スコープの取り付けや、処置具の補充・点検・管理、検査後の器具洗浄・消毒などを担当する。
実際の業務で患者と触れ合う機会はめったになく、命を守る重要な職分であることを自覚するには物足りなく感じる技士もいるかもしれない。
だが、すい臓がんはステージが進行してからでは遅いのだ。早期発見こそ最大の防御手段であり、患者は臨床工学技士の力を求めている。
内視鏡検査のように器具だよりの技術では、臨床工学技士の担う役割は非常に重要だ。
ぜひ、技師として治療の最前線に立っていることを胸に、業務にあたってほしい。
当然ながら「超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)」はすい臓がん以外の発見・治療にも有用だ。すい臓がんの死亡率を引き下げるだけでなく、内視鏡で検査可能なあらゆるがんの発見に役立てるだろう。

公開日 :2016.06.10 更新日 :2021.10.06

臨床工学技士の新着求人情報

  • 《マイカー通勤OK・日勤のみ》厚木市の回復期病院

    求人名非公開 ※詳細はお問い合わせ下さい

    月給 198,200円〜3・・・

    神奈川県厚木市

    病院での臨床工学技士業務/透析/日勤のみ

     
  • 《Wワーク歓迎・透析経験者募集・日数相談》大和市の透析クリニ・・・

    求人名非公開 ※詳細はお問い合わせ下さい

    ※面接後、経験やス・・・

    神奈川県大和市

    クリニックでの臨床工学技士業務/透析/非常勤

     
  • 《マイカー通勤OK・経験者募集》相模原市のケアミックス病院

    求人名非公開 ※詳細はお問い合わせ下さい

    月給 246,964円~3・・・

    神奈川県相模原市

    病院での臨床工学技士業務/透析/呼吸療法/オンコール

     

LINE公式アカウント

LINEにて情報配信中!あなたの転職活動をLINEでもサポート。エージェントへ気軽に相談や質問が可能です。

我々は「入職後の活躍」を見据えて、組織にフィットする方々をご紹介しています。
コメディカルのマッチングでは、10年以上の実績がございます。積み上げたノウハウを活かして、採用をサポートいたします。