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神戸大医学部附属病院(神戸市中央区)が2010年度以降、患者300人以上に対して、使い捨てのカテーテルを再使用していたことを今年7月に謝罪した問題。
同病院によると、今年4月から働き始めた医療器具の滅菌担当者が院内でのカテーテルの使い回しを知ったことで問題が発覚したという。
本来、1度のみの利用が決まっているカテーテルを再使用することで、血流に細菌が混入するなどの感染リスクが高まり、万が一、細菌感染が重症化すると、敗血症などに陥る場合もある。
同病院では、循環器内科の不整脈治療で使う、添付文書に「単回使用」と明記されたカテーテル(診断用電極カテーテル、治療用アブレーションカテーテル)の一部などの医療機器を、院内で滅菌処理をして使い回していたことを明らかにしている。
カテーテルは1本あたり約20万円するとされ、一定の本数を超えて治療する場合、診療報酬が受けられないため病院の費用負担となり、担当医の判断で滅菌して使い回していたという。
厚労省では、この問題をきっかけに使い回しによる感染などを防ぐため、再使用の禁止などの「医療機器の添付文書で指定された使用方法を順守する」ように医療機関への指導を求めるなどとする通知を各都道府県に出した。
この中で、「単回使用」が決められている医療機器の取り扱いについて、「特段の合理的理由がない限り、これを再使用しないよう」としており、必要に応じて医療機関に対する指導を実施するよう求めている。
同省では平成16年に、ペースメーカーや人工弁などの単回使用医療機器について「再使用しないなどの措置をとる」とする通知を出していたが、昨年、国立病院機構近畿中央胸部疾患センター(堺市北区)で使用法を守らない医療機器の再使用が発覚したことを受けて通知を出しており、同様の通知は今回で3回目になるという。
同病院では、今回の問題に対応する緊急の問い合わせ窓口を設置し、郵送でも今回の問題に関する説明書類を発送している。
これまでのところ感染症などの健康被害は確認されていないが、担当者は「問い合わせの数は減ってきているが、引き続き責任を持って対応していく」としており、2010年度以前についても遡って調査し、必要な場合は感染症検査の費用を負担するとしている。
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