面接の心得

1:身だしなみ

転職活動では、“面接力”が成功のカギを握っていると言っても過言ではありません。
面接を受ける際の基本や成功のポイントを押さえておきましょう!

  • 頭髪:頭髪の乱れはだらしなく見えます。セットして清潔感のある印象に。伸びすぎにも注意。
  • ひげ:無精ひげで減点はもったいない。きれいに剃ってすっきりした印象に。
  • メイク:派手な印象にならないように気をつけます。ナチュラルメイクも心がけ、強すぎる香水もNG。
  • ネクタイ:ネクタイの汚れや曲がり・緩みも要チェック。華美すぎる柄も避けておきましょう。
  • シャツ/スーツ:スーツとシャツのしわや汚れは論外。あらかじめクリーニングに出してパリッと。
  • アクセサリ/小物:華美な時計やアクセサリは避けるべき。身につけるなら控えめなものでまとめるのがベター。
  • 靴:スーツをきれいに着こなしても、靴が汚れていては台無し。はきなれた靴をきれいに磨いておきます。

「第一印象50%は外見で決まる」とも言われています。直接の合否判断とまでは行かなくても、決して軽視できないのが面接での身だしなみ。
ここで面接官に不快感を与えてしまっては、大きなハンデを背負って面接をスタートすることになります。 面接では「清潔感や好感ある身だしなみ」が大原則。面接官がどんなところに不快感を覚えるのか、注意すべきポイントをチェックしてみましょう。

2:表情・振る舞い
視線・目線
意外と気づかない自分の姿勢。足を組んだり、猫背の人は要注意です。
椅子の背もたれに寄りかかると姿勢が悪くなりがちです。 話すときに目を合わせられない人は、そもそものコミュニケーション能力を疑われることも。 苦手でも面接官とは適宜視線を合わせるよう心がけましょう。

明るくいきいきとした表情も大事な要素です。 「考え中」のときの視線は、面接官の肩のあたりがおススメです。

話す速さ/声の大きさ
早口すぎ、小声すぎはマイナス評価を受けがちです。まずは落ち着いてゆっくり、ハッキリ話すように心がけましょう。
声が小さすぎると自信がなさそう、と見られてしまう場合もあります。元気よくハキハキとした応対を意識します。

意識的に普段よりゆっくり話すくらいの気持ちで。 感情を込めて抑揚をつけるとより熱意も伝わります。

クセ
初めは緊張していても、雰囲気に慣れてきたころに出やすいのが、日頃のクセ。繰り返されるクセは面接官も気になってしまいます。 必要以上に髪を触ったり、貧乏ゆすりをしてしまうなど、自分のクセを把握しておくことも大事です。 友人など周辺の人に一度聞いてみてはいかがでしょうか?

クセを直すのは難しいですが、意識を抑える事は可能です。 言葉じりなど会話中のクセも意外と目立ちますからご注意ください。

言葉使い
敬語の間違い、崩しすぎな言葉遣いは予想以上に印象が悪いものです。 普段から気をつけて正しい言葉使いを身につけておくことが一番です。 思いがけず面接官と話しが盛り上がっても、面接の場にふさわしい言葉使いをしましょう。

尊敬語と謙譲語の誤用はよくあるケース。 「父は○○と仰っています」等、いわゆる”身内敬語”にも気をつけましょう!

3:常識・マナー
  • ○携帯電話の電源は切っておきましょう。
    マナーモードでも着信があれば集中力が途切れる上、何度も繰り返されると面接官からも悪印象です。
  • ○寝不足で臨まないように、睡眠をしっかりとりましょう。十分なパフォーマンスを発揮するためにも大事な事です。
  • ○面接官から名刺を差し出された場合は名刺交換をしますが、自分から名刺を渡す必要はありません。
  • ○受付から面接と考えましょう。待合室でも落ち着いた態度を。
  • ○少しでも面接に遅刻しそうな時は、それが判明した段階で速やかに連絡をとりましょう。
4:面接 Q&A
面接会場には何時ごろ到着すればいいですか? また、どのような服装が適していますか?
面接会場の到着時間は、約束の時間の5~10 分前に到着するようにし、遅刻することは避けてください。 また、やむをえない遅刻であっても、必ず事前に連絡をいれてください。 服装は、スーツであればまず問題はないと思います。ただ、男性の場合はネクタイや襟元、女性の場合は、 髪型やお化粧の乱れなどに注意してください。 面接現場近くに早めに到着して、トイレの鏡などで身だしなみのチェックを行ってから会場に着くようにするのがベターです。
面接で「言ってはいけないこと」はありますか?
伝えたくない自分の事情を伝えなくてはならないときに、この疑問が湧くことが多いと思います。 このような状況に遭遇したら、まず前向きな姿勢を示す表現に変えて伝えるといいでしょう。 例えば、もし前の職場を過剰に悪く言ったりすると、面接官には“逃げの転職活動”と思われがちなので、 「前の職場ではできなかったことを御社では実現させたい」などの表現に変えると、前向きな姿勢が伝わりやすいでしょう。 未経験の場合、仕事に対する「憧れ」についていくら語っても、面接官の印象には残りにくくなります。 なぜ、その仕事に就きたいか、自分が働くことでどのような貢献ができるかということを論理的に説明できるとよいでしょう。 もう1 点注意してほしいのは、自分の要望を伝えるとき。職務に関わることなら確認事項として話すのは問題ありませんが、 特に給与や福利厚生などは、自分の“利益”にかかわることなので、「欲の皮が張っている」と思われる可能性もあります。 実際の交渉段階に入ってから確認するのが望ましいといえます。 どうしても不安な場合は、「お伺いすべきかどうか迷ったのですが……」などと断りを入れた上で確認し、相手に与える印象を和らげてください。
面接官は求職者の何を見ているのでしょうか?
何を見るかは応募先によってさまざまですが、求職者の年齢によって共通している点はあります。20 代であればポテンシャル、 30代に入ってくるとスキルや経験が重視され、40代以上になるとマネジメント能力が重視される傾向があります。 また、求職者の本来の姿を短時間で確認する方法として、「圧迫面接」があります。圧迫面接は、 回答の内容以上に応募者の表情や口調をチェックし、嫌なことを言われてすぐに顔に出るなど、 対人関係で問題を起こす可能性を計っていると考えてください。
面接となるとアガってしまうのですが、どうすればいいでしょうか?
まず意識してほしいのは、“うまく話をしようとしない”ということです。 普段の自分よりもよく見せようとして、用意してきた内容を完璧に答えようとか、ミスがないようにしようと考えると、 一層緊張してしまいます。応募先は、話がうまい人を採用するわけではありません。 応募者の能力、経験、人間性を総合的に評価するため、真摯な態度で臨めば理解してくれるはずです。 “開きなおる”ことで、応募先に自分を見定めてもらうのではなく、自分が応募先の見学に来たと考えてみるのも手です。 また、先に「申し訳ありません。少し緊張しています」と言うと、場もなごみ、少し落ち着くこともあるでしょう。
前職の退職理由はどのように伝えればいいですか?
人間関係が退職理由であれば、面接官は自社でも同様の問題が起きるのではと懸念します。 「前職ではできなかったことが、応募先では可能」といった内容に変えて伝えてください。 業務内容や業務量に原因があるならば、当時の勤務状況とそれを改善しようと試みたことを端的に伝えるとともに、 応募先では、その経験を生かしどのように活動したいかをアピールするとよいでしょう。 給与の場合は、「実力を正当に評価してもらえる企業で、強みを発揮したい」といった伝え方をするとよいでしょう。 ただ、できる限り待遇面や企業体質の不満を退職理由にするのは避けたほうがよいでしょう。 ほかに、病気が原因、もしくは精神的疲労が理由の場合は、今現在は業務に支障がなく、応募先で頑張りたいという気持ちで臨んでいるのであれば、 正直に話す必要はありません。精神的な部分は、移り変わっていくもの。 たとえそれが退職理由であっても、現時点で意欲があるなら、別の前向きな理由に置き換えるとよいでしょう。
「圧迫面接」の対処法はありますか?
ポイントは、面接官が何と言おうとムキにならないで応対することです。 例えば、「転職回数が多いね」とイヤミな口調で言われたら、「ご指摘のとおりですが……」と、 まず面接官の指摘を肯定したうえで、自分の考え方を主張してみてください。喧嘩をしているわけではないので、 逆に面接官が真剣に採用を考えていると捉えてみると、納得できるでしょう。 応募先が応募者を選別するように、応募者も応募先を選ぶことができると考えてください。 真剣に面接官が採用を考えて応募者に厳しい質問をしているのか、それとも単なる嫌がらせなのかを判断すべきです。 嫌がらせだと判断した場合、選考を「辞退する」選択肢もあると頭に入れておきましょう。
病気のために離職期間が長く続いてしまいました。面接でどのように伝えたらいいですか?
入職後に通院による遅刻・早退・欠勤が発生する場合、身体の都合により特定の業務は避けたほうがいい場合、 過労や過度のストレスなどを避けたい場合などは、正直に応募先に説明することをおすすめします。 「できること」と「できないこと」を明らかにして応募先側が納得した上で入社した方が、結果的に働きやすくなるからです。 ただ、完全に復調しており、問題なく業務を遂行できる場合や応募先側に病気に対する理解がない場合には、 離職期間を資格取得の勉強に充てていたなど、別の理由を用意するのも1 つの手でしょう。
面接日があわず人事担当者と何度もやりとりしていますが、これは悪い影響を及ぼしますか?
応募先側が日程の希望を受け付けているのであれば、双方で日程を調整していくのは当然です。 ただ、何度も断る状況が続くと、人によっては応募意欲が低いと感じるかもしれません。 都合もあるとは思いますが、できる限り応募先の意向に合わせて調整するよう心がけてください。 また、応募先が日程調整を行なっている間に、他の応募者の選考が進んでしまい、 面接日が決まる前に内定が出てしまう可能性もあります。その点を常に念頭に置き、できる限り早めに面接を設定してもらえるように調整しましょう 。
面接で選考漏れになった理由を問い合わせてもいいのでしょうか?
選考の過程で悔いが残る気持ちは十分理解できます。 ただ、基本的に面接試験は点数で採否が決められるわけではないので、応募先に不採用の理由を確認しても、 おそらく具体的な内容までは教えてもらえないでしょう。 不採用の理由が思い当たらないかもしれませんが、今後のためにも再度冷静に面接シーンを振り返ってみてください。 それでも納得できない場合には、人事担当者に聞いてみるのも手です。 教えてもらえなかったとしても、確認の電話を入れたことで気持ちが切り替えられるかもしれません。
面接官は女性を採用する際、「結婚」に対してリスクを感じているのでしょうか?
面接官は、応募者と労働条件などで折り合わないことを危惧しますが、プライベートなことで採否を決めることはまずありません。 なぜなら、採用に関してはあくまで「なぜ当社へ応募したのか」「今後何をしたいのか」という点を重要視するからです。 ですから、応募者のコンディションがどの程度ビジネスに影響を及ぼすかは検討されるものの、 「応募先でやりたいこと」「貢献したいこと」を前面に打ち出して人事担当者に納得してもらえるのであれば、 結婚を控えている事実は問題になりません。
急遽仕事が入り、面接に行けなくなってしまった場合はどうすればいいですか?
応募先側も忙しい中時間を割いているわけですから、 原則として余程の理由がない限りは指定された日時を守る必要があります。 ただ、調整が難しいということであるならば、すぐに電話で人事担当者に連絡してお詫びし、再調整をお願いしましょう。 いずれにせよ、社会人として誠実な対応を心がけることが大切です。 日程調整のやりとりでもビジネスパーソンとしてのマナーを見られるので、 こういったイレギュラーなやりとりも選考の対象になると認識したほうがいいでしょう。
面接においては、こちらからも質問した方がいいのでしょうか?
人事担当者は、面接において求職者側から質問がないと、熱意が感じられないと思ってしまうようです。 また、給与や残業の有無、福利厚生などについての質問ばかりだと、「業務そのものに対してはどうなの?」と疑問を覚えるといいます。 ですから、意欲の強さを印象づけるためにも、応募先の研究をする段階で具体的な質問をいくつか用意しておく必要があります。 入社後のイメージを膨らませるために、同僚になる人がどんな経歴の持ち主なのかなどを聞いてみてもいいかもしません。 いずれにせよ、「何か質問はありますか?」と聞かれた際には、アピールチャンスだと思って積極的に質問を投げかけてください。
失業期間が長かったことがマイナスにならないアピール法はありますか?
「何となく時間が過ぎてしまった…」という場合はなかなか厳しいものがありますが、 失業期間の過ごし方について、強い意志や主体性を持って行動していたとアピールできれば、マイナス評価にはつながらないでしょう。 例えば、「語学を習得するために短期留学した」、「キャリアアップのために資格を取得した」、 「本当にやりたい仕事を見つけるためにじっくりと転職活動をした」、 「働きづめで長期休暇が取れなかったのでリフレッシュ期間が欲しかった」など、失業期間の内訳はさまざまだと思いますが、 何に取り組んだのか、そのことを通じてどう成長したのか、また自分にとってどうプラスに働いたのかを伝えることで、印象は変わってくるはずです。
未経験で応募した際、志望理由はどのように伝えればいいのでしょうか?
未経験者は経験がない分アピール内容も抽象的になりがちなので、「なぜキャリアチェンジしたいのか」 「経験や能力を希望職種にどう生かせるのか」について、実際の体験談などを交えながら伝えるようにしましょう。 応募先が未経験の応募者に求めるものは、経験者が持ちにくい新鮮な感覚や異業種だからこそ培うことができたスキルや、 あらゆる業務に通じるスキルと言えます。 ですから、希望職種に対してのプラスになる要素を見つけ、未経験であることの不安を表に出さないようにすることが重要になります。